きもの博物館16
  米沢綾八丈

 米沢は織物の産地である。米織の名で全国に知られている。米織は米琉とも呼ばれている。  
 米琉というのは米沢琉球紬の略である。知らない人が聞けば米沢と琉球との関係がよくわからないかも知れない。
 紬の柄である絣の起源はインドにあり東南アジアを経て琉球に伝わり、それが日本中に広まったとも言われている。日本の絣の発祥地である琉球絣を模して作ったのが米沢琉球紬という訳である。「模して作った」と言えば盗作、あるいは二番煎じなどと思ってしまうかも知れないけれども、技術は模すことから始まる。米沢は各地の技術を導入し米織と言うブランドを作り上げたのである。
 琉球絣の他にも八丈島の黄八丈を模して米沢八丈が作られた。1850年に坂田春五郎という人が黄八丈の技術を取り入れ米沢八丈を作り、米織に黄金時代をもたらしたとも言われている。
 最近の呉服業界の低迷で余り明るい話題を聞かない米沢ではあるけれども、長い間培われた技術の根はしっかりと米沢に残っている。ここで紹介する米沢綾八丈もその一つである。結城紬や大島紬のよう派手に宣伝されることがないのは山形人気質によるものか、な どとも思ってしまうのだけれども、全国に誇れる織物をもっと紹介 したいとも思うのである。