2.衿下の寸法と採寸

  身丈が同じなのに えり付けの下から裾までの寸法が違う着物は着た時にどのような 違いがでるのでしょうか? もちろん 掛け襟の長さが違ってくるでしょう? 襟のカーブが違うし抱き幅が違うと腰骨にかかる下前の長さが違う。 例えば 長襦袢と上に着る着物に差があるとなにか 襟合わせがうまくいかないような気がしてきます。 関西と関東でもなにか違うような気もします。
  お茶で立ったり座ったりいざったりしていると ずるずる下がってくるのは、抱き幅を狭くしてある格好の良い着物ですし、寸胴に作ってある着物のほうが着崩れが少ないようにもおもいます。
  ただ、決まった寸法でも仕立てる人によって 好みがかなりあり、またでき上がる着物も違って来るように思います。
  また、着る人の体型を実際に見て仕立てて欲しいと思うのは欲張りなんでしょうか? 洋服だと仮縫いがあって 縫い手と着手が顔を合わす機会が多いのですが 着物は特別な場合でしかそのような機会はない。 つねに着物の自分の寸法はこれで合っているのだろうかと疑問に思います 。

 私は男性ですので女性のきものを着たときの感覚があまり良く分かりませんが、教書通りに答えれば次のようだと思います。
  適正な身幅で衿下が極端に短い着物を想定しますと、衿が鋭角に入る為に襟元が開いてしまいます。補正しようと身幅や抱き幅を大きく取ろうとすると不自然な形になり着にくくなるでしょう。
  衿下は並で鯨二尺、背の高い人でも二尺一寸程度です。
  着にくさの原因として良く言われるのは、合褄幅(衿先のおくみ幅)がおくみ幅よりも短い場合です。その場合、洋服でいうAラインのようになってしまいますので着にくくなります。もっとも、着にくい着やすいは主観が入りますので、・・・。
  きものの寸法については次のように順序だてて考えてはいかがて゛しょう。
  1.きものの主な寸法は「身丈」「身幅」「裄丈」「袖丈」である。
  2.初めてきものを着る人のきものを仕立てる場合、身長と体形を言ってもらえれば呉服 屋はその人に合った寸法で仕立てることができる。
  3.きものは洋服よりも寸法について柔軟性があり、少々の体形の変化に対応することができる。
  4.しかし、柔軟性があると言っても、個人的な体形の差で着易くするためには調整をしなければならない。その調整というのは例えば次のようなことです。
  襟型あき首の太い人は襟肩きを大きくとらなければなりません。私は祖父のきものを仕立て返して数着持っていますが、祖父は首が太く襟元が開いてしまいます。女性の場合はあまり関係ないかもしれません。  
  抱き幅:胸の部分をたっぷりとりたい場合は抱き幅を広くします。  
 
身丈:身丈は身長と同程度の寸法にとるのが普通ですが、おはしょりをする位置によって変わってきます。昔は腰紐を腰骨の上にしたのですが、最近は上にする人もいて身丈を長くする人が多くなっています。着付け師は腰紐を上にするようで、着付け師に身丈をもつと長くするように言われてくる人も多いです。これは個人の好みでしかありません。  
  前上がり:腰の曲がったおばあちゃんなどは前身頃を後身頃よりも短くしたりします。(若い女性には関係ないかもしれませんが)  
  その他いろいろありますが、呉服屋さんとしてはその人の身長体形に合わせて仕立てをしているはずです。その上でどこが着難いのか、どんな不都合があるのかを話せば呉服屋さんはそれに合わせた適切なアドバイスをしてくれるはずです。
  着難い着易いは主観が伴うものですので採寸してすぐにどんな人でもピッタリの(その人にとって、それ以上着易いきものがないほど)きものを仕立てるのは神業かもしれません。呉服屋ははじめからまるで着難いきものを仕立てることはありません。きものは着慣れれば着慣れるほど着にくさが分かってくるものです。
  信頼できる呉服屋さんに一つ一つ相談して自分に最も合った仕立てを見つけてはいかがでしょうか。

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