5.帯ときものの楽しい組み合わせ   
  きっと色々な、日本人ならではの取り合わせがあるのだろうなあ・・・と想像しています。
  蝶と花、ふくろう、ウサギに月、猫に鈴(?)、平凡なものしか思いつきません。ああ〜!もっと日本人の美意識に基づいた素敵な組み合わせが思い浮かばないものだろうか(笑)。
  きっとストーリーのある組み合わせが四季のある日本にはたくさんありますよね。
 また、歌舞伎とかお能をご存知の方なら、面白い組み合わせのアイデアもお持ちなのだろうなあと思ったりします。 もしもよろしかったらどなたか素敵な組み合わせをお聞かせくださいませんか? 季節は秋も深まり、あれこれ考えてみるのも楽しそうだと思うのですが・・・。どうでしょうか
 

 帯ときものの組み合わせの質問ですが、私には重過ぎる質問です。
  私は良くお客様に帯ときものの組み合わせについて相談を受けます。その内容はいくつかに分類できますがだいたい次のようなものです。
  1.きものと帯の格を合わせること。
  2.季節による帯あわせ
  3.きものと帯の色あわせ
  それらについては適切に相談にのっています(いるつもりです)。
  1については袋帯、名古屋帯など帯の形状による格の違い。素材や織りかたによる格の違いについて説明しています。
  2は夏物、冬物、単衣に合わせやすい帯など。
  3は全体のコーディネートということになります。
  ご質問の内容は帯の柄ときものの柄を一つのカンバスにみたててストーリーを創りたいということですが、私はそこまで踏み込んでお客様と話したことがありませんので自信がありません。
  上記の三項目は言わばきものと帯に関するハードの問題です。しかし、柄の組み合わせとなるとソフトの面に立ち入ることになります。コンピューター技術者が必ずしも良いウェブデザイナーとは限らないのと同じで、私は人並みのことしか答えられません。
  以下私の思うところを述べますが、ただの呉服屋の道楽息子の言葉と受け取ってください。  
  日本の美には「物事をはっきりといわない」という不文律があるように思えます。和歌では本歌取りという技法がありますが、言葉の裏を読む人に感じさせようというものです。  
  日本の絵画は写実主義ではありません。墨絵の山水画は見えないところを見せようとしています。私の祖父は趣味で俳画を描いていたのですが、子供のときに絵を描いている祖父から聞かせられた言葉です。
 「絵はできるだけ筆数を使わないでそのものを感じさせるのがうまいんだよ。」
と。奥村土牛が富士山を描く様子がテレビで放送されたことがありました。暑くて太い筆を一気に降ろすと、たちまちすばらしい富士山になっていました。しかし、それは写真の富士山とは別物です。奥村土牛の富士山は本物以上に本物を感じさせてくれます。  
  茶会での言葉のやりとりは一を聞いて十を知らなければならない問答のようです。  
  帯ときものの柄も自分が表現したいものをずばり出すのではなく、それとなく見る人に感じさせる組み合わせはいかがでしょうか。  
  帯ときものの柄の組み合わせは趣味の問題になります。人の趣味に優劣はありませんから人の意見を参考にして自分の組み合わせを創造なさるのが良いかと思います。  
  的確に答えられなくてすみません。

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