119.裄が短いのは変ですか
 私の普段仕立てる着物の裄は1尺8寸5分なのですが、お下がり品や既製品の場合、1尺6寸を着ることもあります。 が、ある呉服屋さんが「短いのはみっともない」と言ったのです。
 母のお下がりを着せてもらっていたころは1尺6寸だったので、着慣れていることもあって、自分で着ていて不便は感じないのですが、変でしょうか? 添付の写真は、1尺8寸5分から1尺6寸のまで混在しています。 「これは短いね」と気になる映像がありますでしょうか?

 裄の長さについてはHPに書きましたとおり、現在は長くなってきています。 「短いのはみっともない」と言った呉服屋さんの「短い」基準はどんなものでしょうか。
  裄の図り方は「続々きもの春秋、14裄丈について」に記した通りですが、好みによって少々長い短いがあっても構いません。その呉服屋さんの基準が今の若い人達の一部が要求するような腕を下しても手首まで掛かってしまうような裄丈を指しているとしたら、首を傾げてしまいます。
 写真の中では、「20049両国」と「夏の御召」が少々長すぎるように見えました。長すぎると手を伸ばしたときに袖が絡みませんか?。貼付写真はどれも格別短くて「みっともない」とは思えません。
 ただし、1尺6寸は並寸(1尺6寸5分)より短いので、優妃さんの身長からすれば短いかもしれません。  どちらにしましても、その呉服屋さんのおっしゃる主旨が良く分かりません。

 実は「両国」は1尺6寸、「御召し」は1尺8寸です。 どちらも、手首の骨の先に袖口がくるように手を引いています。 私の裄は手を横にして1尺8寸5分。これが祖母が割り出した私の裄。 よく言う「手を45度下げて」だと2尺と5分です。 「手を伸ばせ」ば、袖口は手首よりも肘の方に近い状態です。
  この裄で手を伸ばしたときに袖を押さえるタイミングを覚えているので、これより長いと確かに、押える前に袖の方が先に落ちますね。

 そう、よく言われるのが「身長に比べて」なんです。 身丈も「本当にこれで良いのですか?」とダメ押しされることはしょっちゅう。 この呉服屋さんの言う意味は「ぴったりしたサイズを着るべきだ」ということなのではないかと思うのですが、振袖や訪問着の扱いが主になっているので、長めの感覚になっているかと。
  写真を見ていただいて、特に気になる短さではないようなので、安心しました。 ちなみに、「手を伸ばす」と、こうなります。上が1尺8寸5分、下が66cmです。 机の上に手を伸ばした際に擦らないためにはこれくらいが適当じゃないかと。 余りの断言にちょっと気弱になってしまいました。どうもありがとうございます。

 追伸 恐らく、この呉服屋さんの言わんとしたことは 「お下がりは、寸法を自分サイズに直してきるものである」と言いたかったのではないかと。それを私が「この寸法なら着られるから」と言ったので。
  1尺6寸までは母譲りのがそれくらいなので着慣れているため、仕立て直しをする気はないのですが、仕立て直すとすれば、1尺8寸5分にするでしょう。 この2、3寸の差を平気で着ていることが気になっているようです。

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