134.薩摩絣
 先日、友人宅で薩摩絣という布を見せてもらいました。
  以前に、とても薄くて肌触りの大島のようなすべらかな薩摩絣は拝見したことがあるのですが、今回、見たものは、糸が太めで、触った感じは、木綿!と判る印象のものでした。 ・・・これが、あの薩摩木綿とは・・・??? と驚き、疑問に思ったのですが、確かに精緻な亀甲と蚊絣が織り込まれており、丁寧に手織りされたものなのだろうと思いました。
  お祖母様の着物であるということをお聞きし、古くは薩摩絣もこのように織られていたのか、あのように洗練された大島のような絹の手触りの織物になったのは、最近のことなのか興味が出てきました。
  ゆうきくんが、薩摩絣を愛用されているとHPを拝見し、お尋ねしたくなりました。 どうか、教えてくださいませ。お願いします。

 薩摩絣は「きもの博物館」で紹介したように、非常に細い糸で織った綿織物です。絹よりも柔らかく、肌触りが良く普段着としては最高のものの一つです。
 しかし、きものの名称と言うのは時代とともに変わり、というよりもとても曖昧かもしれません。
 先に私が言った「薩摩絣」という名称は何時頃できたのでしょうか。私は分かりませんが現在はそういうことになっています。  
  御友人の薩摩絣がどういうものなのかは分かりません。しかし、次のようなことはいえると思います。
 ここからは私の想像です。 「○○絣」や「○○織」「○○染」というようなきものの名称は自然発生的に生れたものだと思います。しかし、近代になり商標登録されたり、また人為的に名称を付けたりして名称に対する人々の関心が高まってきました。「薩摩絣」のように地名を冠した名称は「結城紬」、「大島紬」を始めとして数多くあります。「結城紬」を例にとれば、現在「本場結城紬」というのは厳格な検査を経て認定されたものに限られています。
  しかし、その昔結城紬には検査も無かったでしょうし、商標も無かったでしょう。結城地方(栃木県の一部も含めて)で織られていた織物を結城紬と称していたでしょうし、その織物には統一した特長があったはずです。糸が太いものもあったでしょうし、絣の荒いものも有ったかもしれません。それでも結城紬の特徴を備えていたものだろうと思います。
  現在の「本場結城紬」という目から通せば、古い結城紬の中には「これは結城紬なのだろうか?」と思うものもあるかもしれません。  
  今、目の前にある「薩摩絣」をそういう目で見てはいかがでしょうか。現物も見ずにいいかげんなことは言えませんが、薩摩で織られ、織った人の苦労が感じられるならば、それは間違いなく「薩摩絣」ではないでしょうか。高価かどうかは別問題ですが。

 旅から旅です。 ちょっと、お隣から出張してきました。
  さて、薩摩絣についてですが、現在、手機のもの、機械織りのもの、 半自動のものは、宮崎県都城の某、東○織物というところで織っておられます。
  過去には、大島紬産地のいろんなところで織られていたようですが、 現在では、織られていないようです。 本場夏大島も、その時代時代、また、同じ時代でも機屋さんによっては、 その糸作りは千差万別ですので、風合いの違いは歴然たるものがあります。
  ですので、薩摩絣(木綿絣)も、同じことが言えると思います。 そのときそのときの製作者の意図で、太い糸を使ったり、節糸をまぜたり、 極細の糸を使ったりしていたのじゃないかと推察しますよ。 では、またね。(旅)

|戻る|