135.コートの襟について
 季節も暖かくなり、羽尺のセールも始まっているみたいなので、安く反物が入手出来る今、コートの仕立てを考えています。
  主に、フォーマルで使用を考えているので、無難な無地のコートにしようかなと思っているのですが、問題は襟です。道行襟、千代田襟、新都襟と種類がありますが、どれが1番ベストなのでしょうか?
  やはり道行コートには、道行襟なのでしょうか? どの襟もフォーマル向きだと思うのですが、どういう場面に、この襟ってあるのですか? また、顔の形で向き、不向きの形とかもあったら、教えて下さい。

 コートの衿について「どれが1番ベストなのでしょうか」というご質問ですが、簡単にお答えすれば「どれが1番ということはありません」としか答えようがありません。
  ご存知のようにコートの衿には様々な形があります。
 添付画像は当社に伝わる「コート衿絵図」です。描いたのは先々代社長、つまり私の祖父です。昭和30年代に描いたのだと思いますが、描いてある形だけでこれだけあります。創作衿などもっと種類があったかもしれません。
  それぞれの形に意味があり、用途が有り、好みがありますので、「どれが1番」ということではないでしょう。しいて言うならば、どれが無難かということに成ると思います。
  私の勝手な分析によると
  1.洋装系…衿付
  2.四角系…道行、新都等
  3.三角系…ヘチマ、千代田等 (分類は私が勝手にしたものですので他では通用しません)
  洋装系は別として、四角系と三角系になりますが、昔は三角系が多かったと聞きます。雨コートも千代田などが多かったようです。しかし、現在は道行衿がフォーマル(っぽい)、ヘチマなど三角系がややカジュアル(っぽい)と言う気がします。ただし、これは絶対的なものではありませんが。
 数の上では道行衿が多いと思います。仕立て屋によっては千代田、ヘチマ、新都を嫌う所もありますで、そのような意味をふくめれば、「道行衿が無難」問えるかもしれません。しかし、ファッションは個性ですから、「顔の形で向き、不向き」も含めてご自分で判断されるのが良いと思います。

 私の知る範囲で、書き込みさせていただきます。
  顔の形での向き不向き、というのは知りませんが、体型であれば 向き不向きがあります。
  一般に、千代田衿はポイントが下がるので、小柄な方には不向きとされています。 胸の豊かな方は、道行衿では窮屈な感じがするので不向き、とも言われます。 私も実際、そのように感じます。
  コートの仕立て、特に千代田や都衿は「はめ込み衿」と呼ばれ、洋裁の要素も 含まれます。
  ですので、はめ込み衿を苦手とされる仕立屋さんもいるのです。 こちらは数少ない(と思われる)コートの御仕立が大好き、という方のサイトです。 http://www.geocities.jp/sakapii_oharibako/w4/2004-wahuku.html
  きちんとボディに着せてコーディネイトされた最近のコートが沢山掲載 されていますので、参考にしてください。
  前からだけでなく、背面の画像もあります。 中に変わり道行衿、というのがあります。 まだ一般的な衿形ではないのですが、これですと「小柄&ふくよか」 であっても綺麗な着こなしができそうです。
  また、仕立てにおいても道行の変形ですので、どなたにも御仕立可能かと 存じます。  
  上のサイトでは、この衿の仕立て方寸法も紹介されていますので、 それをお持ちになれば、引き受けてもらえるでしょう。 (先日まで販売されていた「美しいキモノ」冬号にも、この衿形のコートが掲載されていました。) 上のサイトのTOPから「和裁講座 過去ログ」を開くと、仕立ての詳細を ご覧になれます。http://www.geocities.jp/sakapii_oharibako/framepage.html
  気に入ったコートのお誂えができますように。

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