169.紬の(単衣)訪問着に合わせる帯について   
 9月はじめに紬の訪問着(単衣)を着ますが、あわせる帯はどのような物がいいのでしょうか? パーティーで着用です。教えてください。

 おおざっぱなご質問ですので、どのようにお答えしてよいのかと思っております。
 「紬」「訪問着」「帯」いずれも大まかな呉服用語ですので、具体的に応えた場合、誤解が生ずる恐れがあるからです。 例えば「小紋に名古屋帯を合わせられます」というのは真実ですが、「全ての小紋に全ての名古屋帯を合わせられる」と言うことではありません。小紋には種類が多く、名古屋帯も染、織はじめ色々な範疇がありますので、まるで合わない小紋と名古屋帯というのもあるわけです。ですから、具体的な事を抜きにしていると言う前提でお答えいたします。 それともう一つ、紬の訪問着というのは未だ完全に認知されていないと私は思っていますので、はっきりとした事が言えません。あくまでも呉服の常識の範囲、原則ということで聞いてください。  訪問着ですので一般的には袋帯ですが、軽い付け下げ風のものでしたら名古屋帯でも構いません。ただし、名古屋帯の場合、重いものが良いでしょう。素材が紬ですので、光沢のあるきらびやかな帯はダメです。すくいの袋帯なども良いとは思います。博多の紋織りの袋帯、場合によっては重い染帯でも。紬の袋帯も良いのです が、物によっては訪問着として貧相になるかもしれません。  以上、揚げましたのは「合うかもしれない」ということで理解してください。その紬の訪問着の柄の重さ、素材などで合う合わないがまるで違うからです。  言葉を選んでお答えしたつもりですが、大体の感覚を悟っていただければと思います。  分からなければRESを下さい。

おおざっぱな質問でわかりにくくすみません。 まだ着物に関しては素人で、着付けも始めたばかりです。 まず、紬の訪問着についてですが、付下げに近い、柄は シンプルで少ない手刺繍の松です。 織の着物には染めの帯 などと読んだことがありますが、 塩瀬の帯などがいいのか、軽めの袋帯などがいいのか。。 と思っていたところです。 単衣の紬でも、重めの名古屋帯でもいいのでしょうか?
絵羽になっているので訪問着となっていたようです。
 具体的に、その着物にどの帯を合わせるのが一番良いかと言う事につきましては、主観も入りますが、実際に見てみないと言えません。言葉で着物の柄や色を説明して頂いても責任もって「どの帯を」とは言えません。 「織の着物に染の帯」というのは良い組み合わせですが、必要十分条件ではありません。紬に染帯は良く合いますが、一般に紬に合わせる染帯は軽いものです。染帯はカジュアルなおしゃれ物が多いので、紬に合わせられます。しかし、紬の訪問着となるどうですか?。小紋調の訪問着、いわゆる付け下げ小紋のようなものでしたら通常の染帯でも良いでしょうが、褄高の絵羽柄となると帯が軽すぎるような気も致します。力の入った工芸染帯(うまく表現できませんが)であれば良いような気もするのですが、それもやはり現物を見てみないとなんとも言えません。 軽めの袋帯で良いと思います。…ただし軽めの袋帯にも色々ありますので…。 重めの名古屋帯で良いと思います。…ただし重めの名古屋帯にも色々ありますので…。 そんなところで考えてください。
ゆうきくんさま 横から失礼いたします。 9月の単衣は、夏帯か、透けない八寸か、袷用の帯か。 特に(おそらく透けない)紬で絵羽柄となると、そのあたりも選択が難しいように思います。 実は私も9月10日前後に単衣の小紋を着る予定ですが、くだけ過ぎないコーディネートにしたいので、帯選びに頭を悩ませています。 今年もまた、9月になっても暑そうですし。 秋色の夏のすくいの袋帯なんて素敵だけど、持ってない。 合わせようと思って購入した絹科布はちょっとくだけた感じになってしまうので、夏帯ではなくて、波おさとか組紐写しとか袷にも締められる八寸帯にしようかな。 金銀も入った絽綴や絽、あるいは綴だと、改まり過ぎかしら…なんて。 9月の帯選びということでも、お考えをお聞かせくださるとたいへん参考になります。 便乗で質問させていただきまして申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
▼ただかさん:色々と大変勉強になります。 今回は名古屋帯を合わせて見ようかと思います。 これからもたくさん着物を着る機会を増やして 粋に歩いてみたいものです。 また何かの機会にお世話になるかと思いますが 教えて頂けるとありがたいです。ご親切に感謝 いたします。
「その季節に着るきものは何か、そしてその着物に合わせる帯は何が良いか。」というご質問は度々頂戴します。しかし、返答は躊躇していまいます。 店頭でお客様が着物と帯を持ち込んで、 「今の季節はどのきものにどの帯を合わせたらよいでしょうか。」 と聞かれれば、その中から 「この着物にこの帯が良いと思います。」 とはっきりとお答えできます。しかし、WEB上で現物も見ずに具体的なことは中々具体的なことは申し上げられません。少々具体的な事を申し上げると、それが一人歩きしてしまうのを恐れています。例えば前回「紬の訪問着にすくいの袋帯が似合う」と書きましたが、これは一例として揚げた物です。しかし、これが一人歩きして、「紬の訪問着にすくいの袋帯しか似合わない」とか、「紬の訪問着にすくいの袋帯が一番似合う」と採られてしまう恐れがあります。そして、「すくいの帯であれば何でも良い」となるともう話がおかしくなってしまいます。 きもののTPOについては着付教室その他で、はっきりと明示しています。「5月までは…。」「7月からは…。」「訪問着に合わせる帯は…。」「紬に合わせる帯は…。」という具合にはっきりとパターン化した形で説明しています。説明を受けるほうはそれが分かり易く、またその言葉に従っていれば間違いがなく、人に笑われることはないと、安心できるのでしょう。 着物は生活の中に生きています。(生きていたはずです)料理の味付けが四角四面でないように、きもののTPOももっと味のあるものです。 さて、ただかさんのご質問は九月の帯についてですが、「夏帯か、透けない八寸か、袷用の帯か。」ということです。私の答えは「どれでも良いです。」 季節の着物の仕来りは次のようだと思っています。 「季節感を出し、暑いときには涼しげに、寒いときには暖かさを演出します。そして、その中に来る次の季節を思わせる。」 九月というのは季節の変わり目、とても難しいかもしれません。真夏のような暑さになる日もあるでしょうし、もう秋風が吹く日もあるでしょう。着物は単衣…これは原則ですが、合わせる帯はその日に合わせればとても幅があります。 「九月は夏帯で」といった場合、とても寒い日でしたら寒々としてしまいます。 「九月は袷の帯で」と言った場合、うだる暑さの日にはどうしましょう。 一口に夏帯と言っても盛夏にぴったりの夏帯もあれば、夏物かどうか分からないような夏帯もあります。八寸や袷用の帯にしても同じです。見た目に涼しげな帯もあれば、真冬こそぴったり、と思える帯もあります。 九月にどの帯を合わせるかについては次のようにしかお答えできません。 「その日、その場にぴったりの帯を選んでください。」と。 その日その場にぴったり、というのは、その日気候にぴったりの帯、そしてその場の人に不快感を与えない帯です。 なんとも答えにならない答えで申し訳ありません。はっきりとした具体的な回答が必要でしたら、着付けの先生にでも聞かれたらいかがでしょうか。私は着付けの先生の様な回答は出来ませんので。
ゆうきくんさま 早速のお答えありがとうございます。 長年きものを着ておりますが、以前から最も悩むのが9月の組み合わせです。 きものを着始めたばかりの方は、なおさら悩まれるのではないかと思います。 いわゆる着付け教室や識者監修の本のたぐいも、9月初めの暑い日以外は帯や小物は先取りなどと温暖化前のお話? と思うような記述が多く、東北・北海道ならいざ知らず、10月まで半袖を着る関東以西の昨今の猛暑には合わないように感じています。 単に袋帯、名古屋帯といった記述ですと、特にあまりきものを着ない方はついつい袷用のものを想像してしまいがちです。 9月の単衣という最も難しい時期のご質問でしたのに、夏帯か単仕立てか袷帯か、素材については触れていらっしゃいませんでしたので、9月初めに袷用の袋帯になさったらつらいのでは? と横から追加で質問させていただきました。 臨機応変、どれでもよいというお考えで、そのあたりは触れていらっしゃらなかったのでしょうか。 たいへん失礼いたしました。
「袷用」という言い方も、実は随分幅の広い言い方ですね。 10月には袷になり、これが5月一杯まで続きます。 ですから、1,2月の冬には、「いかにも袷」な着物にしっかりした袋帯、 また、その前後の「袷になりたての晩秋」や「昼日中の陽気は大変に良い初夏」派同じ「袷仕立て」でも、冬場よりも薄手の生地を使ったりします。帯も袋帯には違いないけれども、もっと薄い生地のものがあります。 例えば、私の持っている小袋帯には、随分と薄手で、冬には不向きなものがあります。それでも袋に織ってあって、単モノではありません。 お正月にお召しになるような「袷の帯」であれば、9月初には暑いと思います。 着物の暦でも、この時期はまだ夏の着物の季節ですから。帯も夏生地です。といっても、白っぽい「夏の涼しそうな」帯ではなく、紺や虫の色の茶などの濃い色を持ってくるのが「ベスト」です。 秋の取り合わせで困るのが、この「色」かと思います。 生地的には初夏と秋は同じなのですが、「どちらにも使える」ものもありますが、「いかにも初夏!」「いかにも秋!」なモノもあり、手持ち数の少ないウチは、なかなかグラビア並のベストな取り合わせには出来ないものです。 こういうときは、私は「気候優先」で行きます。初夏とは言いがたい4月でも30度越せば、紗縮緬を出し、11月になっても単のお召しを着ていたりします。 衿だけは、時節あわせにしています。 10月でも暑ければ、絽の襦袢に塩瀬の衿をかけてたりします。
優妃讃良さん、具体的なお話をありがとうございます。 私も個人的にきものを着る場合には、9月いっぱいは縮みや御召になるべく涼しげな八寸帯にしたり、下着や襦袢を省略したりして涼しく着る工夫をしておりますし、更衣もきっちり守っているわけではないのですが、習い事の会など改まった席ではなかなかそうもいきません。 もう30年近くも前のこと、手持ちの単衣は縮緬(袷にもする一越)の無地紋付だけ、6月に向けて誂えたために帯は白地の絽袋だけという状態で、9月下旬、急にお茶会の手伝いをすることになりまして、セオリー通り、冷たい光沢の箔の袋帯(袷用で帯芯なし)を締めました。 温暖化前の話ですが、夏帯と違って通気性がないのでもう暑くて暑くて、帯下にぐるりと汗疹ができて大変な目にあいました。 汗だくで無理しているのはバレバレで、周りの方も暑苦しく思われたことでしょう。 単衣ものはついつい後回しになってあまり手持ちは増えておりませんが、その汗疹体験以来、やわらかもので透けなくて涼しい素材、秋色の夏帯、涼しげな綴や八寸が欲しいと気にして探してはおります。 それでも、今も9月はその日にピッタリで自分も快適な装いはできません。 今年着る予定の小紋も一越なので、下着をどう省略しようか、帯はどうしようかと考えています。 単衣の時期と暑い4〜5月、10月はまだまだ悩みが続きそうです。

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