173.ビロードのコート   
 ゆうきさん、こんにちは ビロードのコートについて教えてください。
  へちま襟でくるみボタンが付いてる、ビロードのコートを見かけるのですが、 このコートは、どんな着物に合わせて羽織るものなのか(格?)教えてください。宜しくお願い致します。

 返事遅くなり申し訳ございません。
 ビロードのコートは昔よくありましたが、最近はあまり見かけなくなりました。それでも価格が安く、雪にも強いことなど根強い人気があるようで、私の店でも年間数着売れています。
 さて、ビロードのコートはどのような時に着るのかというご質問ですが、次のように考えられたらいかがでしょうか。
  ビロードのコートは冬のコートです。冬のコートと言えば他に、輪奈コート、カシミヤコート、ウールコートがあります。形式は道行コートであったり道中着であったりしますが、いずれも防寒、耐雪を意識した素材です。寒さと雪に強い素材なのです。
 では、冬場以外にはどのようなコートが着られるかと言えば、道行コート、道中着、羽織(羽織は本来コートではありませんが、コートの機能も併せ持っていますので)、雨コートなどです。雨コート以外は縮緬や紬地で作られます。それらの格は形式から言えば道行コートが上、道中着が下ということになりますが、素材も関わってきますし、絵羽かどうかと言うことも係ってきます。
  しかし、雨コートの場合はどうでしょうか。雨コートは防水加工した繻子地が一般的です。他の生地、例えばお召し風の紬地などで作る場合も防水加工を施します。つまり、雨コートは耐水性、雨に強いコートとして作られています。その雨コートはどんなきものに着られるでしょうか。その格はどうでしょうか。
  雨コートは訪問着にも小紋にも紬にも着られます。素材によって格の違いはありますが、雨コートは耐雨を第一義に考えたきものですので、雨コートという形式自体はオールマイティと考えても差し支えないようです。
 前置きが長くなりましたが、ビロードのコートはどうでしょうか。前に揚げた輪奈コート、カシミヤコート、ウールコートそしてビロードコート、いずれも耐寒、耐雪性を第一義としたきものです。そういう意味では雨コートと同じ様にオールマイティと考えられなくもありません。
  上記に揚げた四つのコートのうちではやはり輪奈コートが一番フォーマルと言えるでしょう。通常のウールコートは普段着っぽいでしょう。しかし、紬にも輪奈コートも紬のきものに着ますし、雪の降りしきる中、訪問着にウールコート(無地などの)を着て許されないこともないように思えます。 耐雪性という意味では輪奈コートよりもウールコートの方が良いでしょうから。
 ビロードコートは輪奈コートよりも格が下、ウールコートよりも上、と定義することも出来るかもしれませんが、耐寒、耐雪性から考えれば鷹揚に考えても良いと思います。

 ゆうきさん、お忙しい中、早速のお返事嬉しい〜!
  道行きコートなどは、調べることが出来たのですが、ビロードのコートについては、調べることが出来ないでおりました。 大変分かりやすい説明をして頂きまして、本当に有り難うございました。

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