179.迷ってます・・   
 はじめまして。ゆうきくん。
  私は最近紬にはまってしまいました。 実家でそろえてもらったものの中にあったのですが、今まで ずっとタンスのこやし状態。 もちろん自分で買ったことはありません。
  その私が、先日リサイクル着物も扱う呉服屋さんの店頭に あった紬に一目ぼれ・・白地の紬に牡丹の水墨画が描いてある 付け下げ訪問着?です。
  着付けてもらったところサイズはOK。 古いもののようで白地はややクリーム色になっています。 またよくみるとごく小さなしみもあります。 着ていく場所はパーティーとか、ちょっと改まった お出かけになるのかな? 
  またあわせる帯も分からないのですが。 それに牡丹が全体にというと、着る季節はかなり限定されるの でしょうか?
  写真があればまだ良いのですが、私の説明ではわかりづらくて 申し訳ありません。 価格は¥21000なのですが、趣味性が高く、着る機会が限定 されるとなると・・と決められずにおとりおき中です(*_*)

 ゆうきくんが、他所の呉服屋さんの商品については云い難い事もあるかと思いますが、リサイクル着物についてどんなお考えを持っておられるのかは、私もお聞きしたいです。
その前に、私の考えを、、、

>その私が、先日リサイクル着物も扱う呉服屋さんの店頭に
>あった紬に一目ぼれ・・白地の紬に牡丹の水墨画が描いてある
>付け下げ訪問着?です。
>着付けてもらったところサイズはOK。

サイズがOKなのは、プラス1票ですね。

>古いもののようで白地はややクリーム色になっています。
白地が黄変しているのは、マイナス数票。

>またよくみるとごく小さなしみもあります。
どの場所にあるのか解らないのですが、よく付く所(上前とか衿辺り)だと、マイナス数票です。

>着ていく場所はパーティーとか、ちょっと改まった
>お出かけになるのかな? 

付け下げでも訪問着でも紬なので、本当に気張った所だと口には出さないけれど、、、他の方がちょっと白い目(?)でご覧になるかも、、、カジュアルな場面だったら大丈夫でしょう。

>またあわせる帯も分からないのですが。
帯は、その呉服屋さんに具体的にコレとコレと云う具合に見せて貰って、色合いとか格とかを覚えたらいかがでしょうか?

>それに牡丹が全体にというと、着る季節はかなり限定されるの
>でしょうか?

着てはいけないと云う事は、どんな柄にもありません。 貴方の中で完結(?)や納得(?)していれば良いのです。 他の人の賛美(?)を得たいと云うのならば、話しは別ですけれど。

>写真があればまだ良いのですが、私の説明ではわかりづらくて >申し訳ありません。 >価格は¥21000なのですが、趣味性が高く、着る機会が限定 >されるとなると・・と決められずにおとりおき中です(*_*)
 貴方にとって21000円が、とっても高価(私にとっては高価です)だとしたら悩むのも良く解ります。
付いているシミがドコにあるにしろ、染み抜きも古いシミならば無理でしょうし、仕立て替えて見えない所にまわすのも訪問着だと無理ですね。 着てしまえばドコに有るのか解らない黄変やシミならば、大丈夫ですけれども。 貴方がその着物を、古着だと割切って考えて着る事が出来るのならば、着られるでしょう。
  ただ柄ゆきが気に入って安かったから、、、と云うのでしたら、迷ったりしないでもう購入されていたと思います。 好みと云うのは、変わるものです。 似合う物も変わって行きます。 迷われているのならば今回は見送って、自分の好みやどんな時にどんな着物を着たいのかを考える良い機会を与えられたと思われたらいかがでしょうか?

 返信遅くなって申し訳ございません。年末と言うこともありますが、いろいろと取り込んでいて遅くなりました。ただ、いい加減な回答をしたくなかったので遅くなってしまったとご容赦ください。
 はっきりとしたことは現物を見ないと分かりませんのでそのつもりで読んでください。
 まず、どんな着物であれ、いや着物に限らずどんなものであっても、自分が納得するのであれば価格は問題ではないのではないでしょうか。つまり、自分にとってその価格は妥当であるかどうかの判断に任せるべきだと思います。 この場合、21,000円が果たして、しましまさんにとって意味のあるものかどうかということです。
 さて、その場合、自分の判断が妥当なのかどうか、しましまさんはそれを悩んでおられるのだと思います。具体的に言えば「古くてシミがある」「合わせる帯が分からない」「季節が限定されるのか」「「趣味性が高く、着る機会が限定されるのか」等等、迷っておられるのでしょう。とりあえず、それら一つ一つ考えてみましょう。
「古くてシミがある」…確かに着物に限らず、洋服でも汚れたりシミが付いているのを着るのははばかってしまいます。しかし、それが許容範囲かどうかでしょう。我々呉服屋が商品(もちろん新品です)を売るときにはシミや汚れには気を使います。それはお客様からクレームが付かないようにということですが、時には疑問に思ってしまうこともあります。新品の自動車を納めるときに車屋さんは髪の毛一本ほどの傷もない車を納めます。我々呉服屋も同じようにシミや汚れのない着物を納めます。しかし、着物を着る人はみんなシミや汚れの全くない着物を着ているのか。街を走っている車は全て髪の毛程の傷も付いていないのか。新品の商品を納める側では当然としても、実際の現場ではそれに限らないと言うことです。
  シミの程度もありますし、鬼ころサンがおっしゃるように目立つ場所にあるかどうかということもあります。しましまさんがその着物を着た時にシミや汚れがあって恥ずかしいと思うかどうか、ということではないでしょうか。
  最近はコンピューターが普及したせいか、完璧な物こそあたりまえという風潮があります。完璧さにばかり目が奪われ、本質が見えなっているというのが現代社会の病癖のようにも思えます。
  その着物ががすばらしい訪問着なのに、わずかなシミの為にその着物の価値を見過ごしてしまうこともあるかもしれません。
  それに、シミや汚れは今の技術ではかなり良く取ることができます。程度が分かりませんのではっきりとは申し上げられませんが、そう言った事も考慮して判断されたらいかがでしょうか。
「合わせる帯が分からない」…帯の合わせ方は勉強してください、としか言いようがありません。洋服でも何でも、料理の味付けも誰も初めから分かるものではありません。むしろ興味を持って学んでゆくところに面白さ、楽しさがあるように思えます。
「季節が限定されるのか」…きものは少なからず季節は限定されます。大きく分ければ袷、単衣、薄物と分かれますので、その着物が袷であれば袷の時期にしか着られません。しかし、良く考えればどんな柄でも結構幅広く着れるものです。例えば桜の柄、季節限定の定番の様に言われますが、桜の柄は新春から桜が散る頃、すなわち四月頃まで着られます。袷の着物の時期が十月から四月までだとすると七ヶ月のうち四ヶ月着れる事になります。一年の三分の一です。洋服でも一年中着れる洋服はないでしょう。着物は「季節が・・季節が…」とよく言われるのですが、それは着物に限らないことですし、着物は結構季節に鷹揚です。
「趣味性が高く、着る機会が限定されるのか」…紬の訪問着ということですので着る機会は限定されるでしょう。私は紬の訪問着についてははっきりと申し上げられません。(続きもの春秋「つむぎの絵羽(訪問着)について」 を参照してください。)きものの着る機会が限定されるというのは着物がいかにすばらしいものかという証左だと思っています。どんなステキなドレスでも普段台所に立つときから、スーパーに買物に行くとき、スポーツをする時などいつでも着ると思えば決してステキなドレスとは言えないでしょう。着物は(洋服もそうですが)着るべき時に着てこそステキなのだと思います。
  きものを好きになられたしましまさんが好きで買ったきものをいつでも着たいという気持ちは良く分かりますしいつでも着物を着て欲しいと思います。もっともっと着物を理解していただければ着物はもつと楽しく奥深いものと感じられるのではないでしょうか。 「古くてシミがある」「合わせる帯が分からない」「季節が限定されるのか」「「趣味性が高く、着る機会が限定されるのか」と迷われて、着物か嫌いになってしまわないかと、私はそれが心配です。
  失敗や少々恥をかくこともあるかもしれませんが、とにかく着物を着て、着物を好きになってください。

 何かと忙しい季節なのに、ソボクな疑問にとても丁寧にお答えいただきありがとうございました。きもの春秋もまだすべてではありませんが読ませていただきました。

> さて、その場合、自分の判断が妥当なのかどうか、しましまさんはそれを悩んでおられるのだと思います。具体的に言えば「古くてシミがある」「合わせる帯が分からない」「季節が限定されるのか」「「趣味性が高く、着る機会が限定されるのか」等等、迷っておられるのでしょう。とりあえず、それら一つ一つ考えてみましょう。
>「古くてシミがある・・・程度もありますし、鬼ころサンがおっしゃるように目立つ場所にあるかどうかということもあります。。それに、シミや汚れは今の技術ではかなり良く取ることができます。程度が分かりませんのではっきりとは申し上げられませんが、そう言った事も考慮して判断されたらいかがでしょうか。
 シミは薄いものでよほど近くで目をこらさないと見えない小さなものです。袖の下のほうと裾の後ろのほうにあります。襟元ではないので何のシミだろうと不思議ですが・・

>「合わせる帯が分からない」…帯の合わせ方は勉強してください、としか言いようがありません。洋服でも何でも、料理の味付けも誰も初めから分かるものではありません。むしろ興味を持って学んでゆくところに面白さ、楽しさがあるように思えます。
  また鬼ころさんにはお店の人に相談されては?というアドバイスもいただきました。お店の人も八掛の色をとったものなど薦めてくれたのですが、それが自分で どうも素敵に感じられませんでした。 その前の段階でその方に「どこの紬ですか?」とお尋ねしたところ、即座に「結城です。」といわれたのですが、結城には思えなくて、店長さんが通りかかったとき、再度お尋ねしたら「結城ではないですね。古いもので今はちょっと分かりませんね」と答えられて、何となく店員さんの態度にとにかく売りたいというものを感じてしまったせいかもしれません。

>「季節が限定されるのか」…着物は結構季節に鷹揚です。 >「趣味性が高く、着る機会が限定されるのか」…紬の訪問着ということですので着る機会は限定されるでしょう。きものの着る機会が限定されるというのは着物がいかにすばらしいものかという証左だと思っています。
  これはとっても素敵な言葉ですね。 そのきものは白地のせいか、紬のためか、袷ですが軽くて、その時これを着てアンティークのビーズのバッグを持って5月の風の中を歩きたいと思いました。 有吉佐和子さんの「墨」の連想も働いたかも・・

>着物か嫌いになってしまわないかと、私はそれが心配です。失敗や少々恥をかくこともあるかもしれませんが、とにかく着物を着て、着物を好きになってください。
 お心遣いありがとうございます。着物は嫌いではありません。
  結婚するときそろえてもらったものはほとんど入園式、結婚式、など機会を見つけてきていました。ただフォーマルは帯とセットになっていて分かりやすく、悩むことがあまりなかったのです。帯締めや帯揚げはときどき呉服屋さんで探してそろえ、着付けの人に見てもらえばよかったし。 (でも、親戚にはやはり日舞や和裁のできる年配の叔母たちがそろっていたので、式後写真が出来てからの品評会は恐いものがありました。着物を愛するからこそなんでしょうね。) なのでどうしてもフォーマルは無難に無難にと頭がいってしまい、心から着たい〜という感じはなかったです(^_^;)
  牡丹の着物はもう少し考えてみます。私、洋服でも結構迷うタイプです・・ ところでレスキュー状態で質問してしまい、よくHPを読んでいなかったのですが ゆうきくんのお店は山形なのですね。 小千谷縮の価格や、新品でモスリン、ネル、サマーウールが置いてあるなんてびっくりしました。織物が好きなのでやはり産地に行ける機会は逃さないようにしています。いつか紅花紬や置賜紬も見に行きたいのでその時はおじゃまさせてくださいね。
  今回は本当にお世話になりました。寒さも厳しいこの頃風邪に気をつけて御自愛ください。

 初めてお合いするお客様と話をすると、私の方が驚かされる事があります。
「きものってこんなに安いのですか。」
「小千谷はもう織られていないと聞いていましたが。」
「ウールやメリンスなんて、今でもあるんですね。」
と言った言葉を聞かされます。 今の呉服業界の弊害が消費者の隅々まで行き渡っているようで私は腹立たしさを感じてしまいます。
  有るものを無いと言い、消費者をつんぼ桟敷に置き値段をつり上げる。消費者の手の届く安価な汎用品は店に並べようとしない。そんな呉服業界に訴えようとしたのが「きもの春秋」です。 是非賢明な消費者になっていただきたいと思います。

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