185.八掛について、教えて下さい。
 江戸小紋の地色が黒のものに合わせる八掛なのですが、着物の知識がない私には、どのような八掛が良いのか分かりません。
  八掛、と言うと「ぼかし」の入ったもの、「両駒撚り」のもの、「紬」のもの等あるみたいなのですが、どのものを選べば良いのでしょうか?
  勿論、着物屋さんに「この着物地で、袷で、黒の八掛で・・・。」等と伝えれば着物として出来上がってくるとは思いますが、今後の事を考えて質問させて下さい。 紬地の反物でお着物を作って頂くときには、勿論紬地の八掛ですよね?「ぼかし」の八掛は好みで選べるのだと思いますが・・・、生地自体は、どのような種類があって、どのように選べばよいですか?
  ちなみに、「ぼかし」の八掛は不祝儀には、ダメですよね?
  訪問着でも、どの程度までいいのですか?
  好みですか?
  どの着物には、どの八掛が良い、というのがありましたら、教えて下さい。
  また、最初に戻りますが、黒地の江戸小紋を普段着にも、紋を入れて格を上げて着たい時にも、これで良い!っという八掛の生地の種類を教えて下さい。 宜しくお願い致します。

 八掛には、紬用と縮緬用とがあります。前者は駒撚り、後者は精華やパレスなどの生地が使われます。大きな違いは、紬用は先染(糸を染めてから織る)で、縮緬用は後染(白生地を織ってから染める)だということです。
 紬用は先染ですので、色は既製の物を選ぶしかありませんが、後染の方は一枚でも指定の色で別染が出来ます。もちろん先染のぼかしはできません。
  昔から紬には紬用、縮緬には精華やパレスが使われてきましたが、紬用の八掛は磨耗に弱いという欠点があります。私の母は毎日きものを着ていますが、同じ紬を着ていると紬八掛はすぐ擦り切れてしまうと言います。それで、母は紬にも精華やパレスの八掛を使っていますし、お客様にはそのように説明して紬に精華やパレスを使うのも多くなっています。
  紬に精華やパレスを使うことについては仕立上、その他問題はありません。紬八掛が磨耗に弱いと言っても、二三回着て破れてしまうというものではありませんので、毎日着る方でなければ紬八掛でも十分です。
 縮緬の八掛には無地とぼかしがあります。元々は無地だけだったのですが、昭和30年代頃(だと思います。はっきりしたことは分かりません)にぼかし八掛が発明されました。
  いきさつは、薄い地色の着物に無地の八掛を使うと八掛と胴裏の合わせ目が透けて見えてしまう、裏が八掛の裾の部分と裏が胴裏の部分の色が違って見えてしまうのを解消するためでした。ぼかし染することによって裏の色が表に自然に響くようにしたのです。
 したがって、ぼかしを使うか、無地を使うかというのは表地の色(の濃さ)との関係を考慮してと言うことになります。一般に薄い色の表地でしたらぼかしを使います。もちろん色の濃い表地にぼかしを使っても構いません。ぼかしと無地に、どちらが格上だとか言うことはありません。
  無地のメリットとしては、どこでも使えるということです。つまり、裾が切れてしまったら、解いて廻して使えますし、反対にして使うこともできます。胴裏を伸ばしさえすれば、いくらでも?使うことが出来ます。いわば八掛は消耗品で、八掛が表生地より少し出るように仕立てるのは、八掛が破れることによって表生地を守るという先人の知恵です。
 さて、なっちゃんママさんが黒の江戸小紋にあわせる八掛にお悩みですが、江戸小紋の生地は紬ではないでしょうから、縮緬用の(後染の八掛)であれば生地はどれでも問題ありません。生地の種類は関係ありませんから、仕立てる呉服屋さんに相談して一番良い生地を付けてもらったら良いでしょう。ただし、高い八掛と良い八掛は違う場合がありますので、信頼できる呉服屋さんに相談してください。
  「ぼかし」「無地」共に区別はありません。「ぼかしの八掛は不祝儀にダメ」というのは聞いたことがありません。訪問着は通常共の八掛がついていますので、別に八掛を選ぶ必要は余りないと思いますが、訪問着の場合も地色が薄ければ、ぼかしを使ったほうが良いでしょう。  問題は生地の種類や、ぼかしか無地かではなく、何色を付けるかだと思います。
  紋を付けてセミフォーマルで着たいと思ってらっしゃるのでしたら、共色や共薄の八掛が無難でしょう。不祝儀でも着るのでしたらなおさらです。
 また、おしゃれにお召しになるのでしたら色物を付けてもかまいません。若い方は黒に赤、朱あるいはからし色なども付けるようです。

> さて、なっちゃんママさんが黒の江戸小紋にあわせる八掛にお悩みですが、江戸小紋の生地は紬ではないでしょうから、縮緬用の(後染の八掛)であれば生地はどれでも問題ありません。生地の種類は関係ありませんから、仕立てる呉服屋さんに相談して一番良い生地を付けてもらったら良いでしょう。ただし、高い八掛と良い八掛は違う場合がありますので、信頼できる呉服屋さんに相談してください。

→では、だいたい、どのくらいの値段なのでしょうか? →また、素人の私にも出来る「良い八掛」の見分け方はありますか?

>「ぼかし」「無地」共に区別はありません。「ぼかしの八掛は不祝儀にダメ」というのは聞いたことがありません。

→そうなんですね。 訪問着は通常共の八掛がついています
→お恥ずかしながら、それは知りませんでした。ちなみに、付下げの反物には八掛 としてとれる長さは、一般的にありますか?

> 問題は生地の種類や、ぼかしか無地かではなく、何色を付けるかだと思います >紋を付けてセミフォーマルで着たいと思ってらっしゃるのでしたら、共色や共薄の八掛が無難でしょう。不祝儀でも着るのでしたらなおさらです。

→分かりました。ありがとうございました。また、勉強になりました。また、返信をお待ち致しております。どうぞ、宜しくお願い致します。 毎回、毎回、本当に頼りにさせて頂いております。(*^^*)

 八掛の値段については、いや八掛だけではなく呉服全体に言えることなのですが、値段はまちまちです。値段で良し悪しを決めてしまうことはかえって目を曇らせてしまうように思えます。しかし、八掛はそれほど多くの種類が出回っていませんので、一般に専門店が薦める物で間違いないと思います。ただ、ナショナルチェーンや訪問販売業者などはどのような八掛を売っているのか皆目検討がつきません。信用有る呉服店で扱う八掛で間違いはないと思います。
 訪問着と付け下げについては判断が微妙ですので、「きもの春秋16.訪問着と付下げ」 を参照してください。その上で、「訪問着は絵羽物、付け下げは丸巻き」と定義してお話します。
  丸巻きの付け下げはほとんどの場合、八掛はついていません。一反は長さが三丈(約12メートル強)あり、これは表生地一枚に相当するものです。これを一般に「三丈物」と呼んでいます。白生地には他に「四丈物」と呼ばれるものがあります。これは表生地プラス一丈ありますが、これを共生地の八掛にする場合や、振袖に染る場合に使います。通常の付け下げは三丈物で染められますので八掛は付いていません。
  訪問着の場合は四丈物を使い共生地で八掛を作り八掛に柄を施します。付け下げの場合は八掛が付いていませんので、別に無地やぼかしの八掛を付ける事になります。ですから付け下げの場合は、八掛を共色に限らず自由な色を付ける面白みもあると言えます。
 なっちゃんママさんのご質問の中に「八掛としてとれる長さは…」とありますが、付け下げは小紋と違って、裁つ位置が決められています。ですから余分な生地は一切ありません。身丈の長い時には打ち揚げにします。付け下げの場合、八掛が「採れるか採れないか」ではなく、「八掛が付いているか、いないか」と言うことです。
 こんにちは。 ゆうきさんのくださった返信を見て、色々と考え、呉服屋さんとも相談してやっと八掛けが決まり、お着物として仕立てて頂いております。 黒地の江戸小紋に、黒の八掛けに致しました。この方が帯によっては、不祝儀にも使える、との事でしたので。 また、宜しくお願い致します。

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