189.本結城   
 はじめまして。先日リサイクル着物屋で「本結城」と勧められた着物は、見た目も手触りも結城紬のようでしたが、柄が亀甲や十字ではなく、緯糸だけが絣糸になって柄をつくってありました。(大島紬の横双で絣糸の間に無地の地糸が入っていないようなもの)  重要無形文化財の結城紬にも、亀甲や十字ではなく、横双のようなものもあるのでしょうか?

 ご質問は二つの範疇に分けて考えなければならないようです。
  一つは「紬好きさんが手にとられた『本結城』と称するものが本場結城なのかどうか。」
  もう一つは「重要無形文化財の結城紬にも横双があるのか」 ということです。
 初めの問題はリサイクル屋さんの言う「本結城」というのが何を表しているのかということです。「本結城」というのが「本場結城」を指しているとすれば、問題は後者の範疇になる訳ですが、きものの用語は非常に曖昧ですので「本結城」が必ずしも「本場結城」を指しているかどうかは分かりません。
  極狭い意味で言えば、「本場結城」というのは重要無形文化財に指定された証紙を貼っているもの、ということになります。しかし、もっと広い意味で使っているのかもしれませんし、本場結城の証紙ができたのは昭和31年のことです。古着屋さんですので、それ以前の結城ということも考えられます。ですから、紬好きさんが「本場結城」という言葉をどのように受け止めているかで答えが違ってきます。
 後者の「重要無形文化財の結城紬にも横双があるのか」という問題には、無形文化財の定義から考えればあってもおかしくはありません。絣に関する無形文化財の条件としては「絣模様を付ける場合は手くびりのこと」とあるだけですので、手くびりの絣であれば横双であれ重要無形文化財の証紙をもらえると思います。
 ただ、横双の本場結城紬は余り見かけないことはたしかです。
 店頭で使われる「本場結城」という言葉は余り厳密な意味で使われない場合が多いように思えます。現物を見ないで何とも言えませんが、お店の人にはっきりと伺ったらよいかと思います。

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