205.披露宴に綴れ名古屋帯で一重太鼓は?   
 はじめまして。よくHPを拝見します。 ゆうきさんの着物に対する考え方に 学ぶことも多くまた共感することも多いです。
 早速ですが質問です。 友人のホテルでの披露宴において、訪問着に 綴れ名古屋帯(金糸銀糸の刺繍入り)で一重太鼓結び というのは、大丈夫でしょうか?
  綴れ名古屋なら一重太鼓でもフォーマルになる、 というのを幾つか読んだことがありますし、 そうした人、画像、写真なども見かけたことがあります。 大切な友人ですからぜひ着物を着ていきたいし、 その着物と帯の合わせなら、柄、色的にもとても品よく センスよくまとまるので、十分礼も尽くせると思って いるのですが、二重太鼓結びでないのは失礼でしょうか?
  ゆうきさんのお考えをぜひお聞かせ下さい。よろしくお願いします。

 返信遅くなりました。
 きものと帯の組み合わせについては良く質問をいただくのですが、最終的には現物を見ないと断定的なことは言えません。
 きものをアイテム(訪問着、とか綴の帯、色無地、名古屋帯等等)で括って、「何と何は合わせられる」「何と何は合わせても構わない」という答えを期待するようなのですが、きものはもっと複雑で、きものの種類は、いくつかの範疇に分けられるほど単純ではありません。
 結論から言えば、立派な綴れの八寸名古屋帯は訪問着にしても構いません。しかし、全ての綴れの八寸名古屋帯が全ての訪問着にしても構わないということではないのです。柄が合う合わないということを別にしても、到底合わない組み合わせもあると思います。訪問着と言えどもピンからキリまでありますし、綴れの八寸も同様です。
 誤解を恐れて慎重にお応えしようとすれば、 「組み合わせても良い場合がある。」ということでしょうか。  
  言葉足らずですが、このような答えでよいでしょうか。

 まったくおっしゃる通りだと思います。 この着物にこの帯は?という質問は、実際に、少なくとも写真などで その着物と帯をお見せしないと、なんとも言えませんよね。
  ただ、ごめんなさい、私の質問の仕方が散漫になってしまった ようです。一番お尋ねしかったことは、その合わせ方というより むしろ帯の結び方のことでした。 お手数ですがもう一度ご回答願えませんか。本当にすみません。
  披露宴では袋帯で二重太鼓を結ぶのが普通で、名古屋帯は あまり合わせないですよね。でも例外に、 綴れ名古屋帯なら一重太鼓に結んでもフォーマルに向く、 というのを読んだことがあり、あーそう言えば、そういう合せ方も 見かけたことがあったので「なるほど!」と合点がいったわけです。
  けれどいま少し気になったので、ゆうきさんのご意見も伺って みたかったのです。 綴れ帯が訪問着にもし合い、またそれが披露宴という場にもふさわしい ものであったなら、一重太鼓結びになってしまうけれど、それは決して 失礼にはならない、と本当に言えるのでしょうか?
  それともやはり 二重太鼓に結べないのなら、NGになってしまうのでしょうか? その点を教えて下さい。よろしくお願いします。
  こんにちわ、 一例です。
  私の場合、成人式に振袖ではなく、訪問着を誂えました。 「桃色」というのが一番近い薄紅色の変わり縮緬の地に 裾に紫と金を紫雲のようにぼかし、要所要所に 家紋サイズ程の橘の刺繍が散ります。 このときの帯は、太鼓柄の名古屋帯。 金糸銀糸を合わせた地色は白っぽい金色に見えます。 ここに、花車を刺繍か織りでのせています。 素材・色柄的には袋帯に遜色ないものです。 但し、「太鼓柄」ですので、単太鼓にしか結べません。 一応、袋帯に近く見えるように、胴は開き仕立てにし、 太鼓部分はチョイ目には、二重に見えるように、 裏との縫い合わせのキセ(縫い代から折り目迄の部分)を 若干広く取る仕立てにしてあります。
  結婚の際に袋帯を買ってもらう迄は、この組み合わせが 唯一無二の一張羅で、様々な席にこの組み合わせで出席しました。 我が家のしきたりでは、「礼装は二重太鼓」という決め事はなく、 うちの母など、留袖に結ぶ袋帯すら単太鼓に結びます。 「単太鼓でも構わないか、ニ重太鼓でないとダメか」という点だけで言えば、どちらでも問題ではないと思います。特に今回は「ご友人」という立場での出席ですから、「親戚なら揃えるべき」という点からも自由です。 問題は、お召しになるお着物と帯が「披露宴の席」に相応しいものかどうか、また、組み合わせとして良い取り合わせになっているかでございましょう。
 遅くなってすみません。
  問題は一重太鼓を訪問着に締めて良いか、ということだと思います。 晴れの場では袋帯、すなわち二重太鼓が一般的です。一重太鼓は何故はばかれるのでしょう。丸帯をはじめとして従来晴れ着とされてきた帯は二重太鼓でしたのでそのような習慣が出来たのだと思います。
  「晴れ着は二重太鼓を締めなければならないか。」 と言う問いに、 「必ずしもそうではない。」 と言う答えと 「一重太鼓は締めてはならない。」 と言う答えが返ってくると思います。それはその人の主観でしかありません。着物には聖書やコーランのような絶対的な拠り所はありません。それぞれが、それぞれの知識、人生観を通して得た結論にしか過ぎません。
  私は、 「必ずしもそうではない。」 とお答え致します。
 優妃讃良さん お返事が遅くなり大変失礼いたしました。 レス本当に有り難うございました。 具体的な例の一つ一つが大変参考になりました。
  色々情報を探れば探るほど、特にマナーに関しては 右へ倣え的な情報ばかりで、正直窮屈に思うことも あります。だいたいのことはあまり深く考えず、 素直にその通りにしとけばいいかなと思って いるのですが、今回の帯の結び方については、 そんなにいけないことかしらと、少し引っかかって いたので具体的なお話を聞かせて頂き、 また少し頭を柔らかくすることが出来ました。 また何か迷った時はアドバイスやご意見をお聞かせ下さい。
  ところで書かれてある訪問着と名古屋帯の合せ、 なんとなくイメージが湧きました。 華やかな振袖も綺麗だろうけどそんな中で楚楚とした コーディネートは映え、それもまた素敵だったろうなと想像しています。
  ゆうきさん お忙しい中お返事下さり有り難うございました。 和服の専門家であるゆうきさんのお考えを聞くことが出来、 必ずしもそうでは・・ということをお聞きして安心しました。 ゆうきさんの回答を読んでいると、そもそも 「『例外に、綴れ名古屋帯なら一重太鼓に結んでも フォーマルに向く』のでしょうか?」という質問すら ナンセンスのように思えてきました。お恥ずかしい限りです。。。
 願わくは、私もこれからもっと経験を積んで 自信を持って着物を着られるようになりたいです。 そしてそうありながらも、独り善がりにならず相手への配慮や TPOを心がけて着物を楽しめるようになりたいです。 時に情報に振り回されてしまいがちですが、 各コーナーで語られるゆうきさんのお話は、 事の本質を思い出させてくれます。ですので今の 着物経験の浅い私にとっては、ゆうきさんのHPは 大いに拠り所なのです。
  これからも楽しみに見させて頂きます。
 残念ながら私のHPは拠り所とはなり得ません。 多くの着物愛好者、業界の中の一人である私の考えを述べたものに過ぎません。 私のHPを見て「何をいい加減な事を・・・」と思っておられる方も多いかと思います。 そう言った方々の言葉にも耳をかしながら、ご自分で何がきものの常識なのかを判断してください。
  私のHPがその考える一つの材料になってくれれば幸いです。

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