232.落款   
 落款についてのお考えに同感です。
  私自身も、落款があるかないか、あまり興味がありません。 ただ、25年前位前に作った母の留袖を今度着ることになりました。 母はすでに亡くなり、私も着物には詳しくありません。 最近加賀友禅の訪問着を買った友人が、私の留袖を見て落款があるから加賀友禅ではないかと言います。 今は加賀友禅でなくても落款を付けたりすると、ありましたが、昔の落款っていうのは加賀しかなかったのでしょうか? 色あいからして、加賀友禅のような気もしますが・・・

 落款は「落成款識」と言って作者が自分の作品として捺したものです。元々は書墨の世界で使われたものが、絵画や染色の世界でも使われ出したようです。
  そういうわけで落款は加賀友禅特有のものではありません。加賀友禅は昔は下絵から糸目置き彩色まで一人で行っていましたので、落款を付ける様になったようです。ですから「加賀友禅イコール落款有り」ですが「落款有りイコール加賀友禅」ではありません。
 タンタンさんはお手持ちの着物が加賀友禅か否かを知りたがっているようですが、25年前くらいの物であれば、加賀友禅かどうか見分けるのはそう難しいことではありません。
 加賀友禅には次のような特徴があります。
 1京友禅と違って刺繍や金銀箔は使いません。染だけで仕上げています。刺繍や箔を使っていたら加賀友禅ではありません。
 2加賀の五彩という特徴ある色が使われています。最近の加賀友禅はこれに限らないのですが、25年前の加賀友禅でしたらだいたい一目で分かると思います。 ただ、素人にはわからないかもしれません。近くの呉服屋さんででも見てもらったら分かります。(最近は分からない呉服屋さんも多くなっていますが)
 3仰る落款は登録されています。高級品を扱う呉服屋さんでは落款表があると思いますので聞いてみてください。あるいはインターネットで調べられるかもしれません。
 現物を見れば早いのですが、言えることは上記のようなことです。
 分からなければまたご質問ください。

 さっそく、回答ありがとうございます。 お忙しいなか、詳しく説明していただき感謝しております。

> 1京友禅と違って刺繍や金銀箔は使いません。染だけで仕上げています。刺繍や箔を使っていたら加賀友禅ではありません。

 刺繍も箔もありませんでした。

> 2加賀の五彩という特徴ある色が使われています。最近の加賀友禅はこれに限らないのですが、25年前の加賀友禅でしたらだいたい一目で分かると思います。ただ、素人にはわからないかもしれません。近くの呉服屋さんででも見てもらったら分かります。(最近は分からない呉服屋さんも多くなっていますが)

 今度見てもらいます。華やかな色合いではなく落ち着いた色調でした。

> 3仰る落款は登録されています。高級品を扱う呉服屋さんでは落款表があると思いますので聞いてみてください。あるいはインターネットで調べられるかもしれません。

 加賀の落款を見たのですが、該当するものがありませんでした。 加賀友禅には落款がついてあり、落款があるのが加賀友禅とはかぎらないというのが分かり、このことだけで疑問は解消されましたのでありがとうございました。

 私は 25年位前の加賀友禅を持っていますが、今の落款帳には載っていません。なぜならそのうち2枚はもう亡くなった方だからです。その他の1枚は加賀染め工房から独立した(と思う)人だからです。でもどの人も20年くらい前の古い本の落款帳には載っていました。
  母の嫁入りの頃の加賀友禅(昭和27年頃)は、もう亡くなったとても偉い方のものですが、その頃「落款」制度がなかったため、ついていません。もう、亡くなったあとにおうちに尋ねていって はんこを押して欲しいとお願いしたそうですが、本人が亡くなったあとのため、奥様は「描いていたような気がするが確かではないので出来ない」といわれ残念そうでした。
  最近の加賀友禅調のものには 「監修」ものや、有名作家のコピーのような図柄も見えます。詳しくありませんがそんな気がします。 25年前なら「昔の落款帳」をごらんになることをお勧めします。

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