271.絽又は紗の羽織と薄物の長着   
 ゆうきさん、教えて下さい。
  今まで、5月の終わりくらいからは綿の単衣の着流し、7月くらいからは、薄物の着流しか浴衣で過ごしていました。 ところが、単衣の着流しをしていると、全て浴衣を着ていると世間の方々に思われている事に気付きました。 (ドトールの様な大衆喫茶店で競馬新聞を見ながら予想している時に、元美人・在郷美人が横の席に座ると、良い浴衣を着ていますね、亡夫もよく着物をきていました等と話しかけてきます。
 小千谷縮みを着ていた時、糊をつけてばりっとアイロンを掛けた方が男振りが上がりますよと親切に注意も受けた事もあります) そこで、今年は黒の絽と紗の羽織(お袋さんが親父の羽織を仕立て直してくれた物で、実力で買ったものではありませんが)を着ようと思っています。 今まで着なかったので、ちょっと迷っています。
  ゆうきさん、教えてください。 麻の薄物(小千谷縮み、能登上布らしい物)、絹の薄物(リサイクルショップで買った琉球紬、夏大島、その他産地は分からぬがスケスケの織物)及び綿の薄物(久留米絣のスケスケ物)等の上に黒の絽又は紗の羽織を着ても可笑しくはないのでしょうか。
  袷を着る場合、絹には絹、綿には綿の羽織を着ていたものですから、いいのかなあ と思っています。
 街中に出ると、誰も組み合わせをおかしいとは思わないでしょうが、常識だけは知っていたいものですから、質問しました。 尚、黒の絽と紗の長着(親父の仕立て直しもの)も持っていますが、いかにも坊さんの様で、あまり着たいとは思いませんので。 宜しく御願い致します。
 きものオジサンこんにちは。いつもこのコーナーをご利用いただきましてありがとうございます。
  年長の方にお答えするのは緊張してしまいますが、少しでもきものを愛する方のお役にたてればと思います。
 きものを沢山お持ちで、どれを着たらよいのか迷っておられる様子ですので、まず基本的なことを申し上げます。
  「ゆかた」と「きもの」の違いについて、 「ゆかた」と「きもの」の違いは素材等もありますが、まず着こなしがまるで違います。「ゆかた」は一枚で着ます。中にシャツや肌着を着ることもありますが、襦袢を着ません。つまり、襟(半えり)を出しません。そして、足袋は履かずに素足です。綿の単衣を着た時、襟は出していましたか? 足袋は履いていましたか?
  もしも、襦袢や足袋を付けていなかったとしたら「ゆかた」と思われてもうなずける話です。
  襦袢、足袋を付けていてゆかたと思われたとしたら、その生地が余程浴衣っぽい生地だったのだと思います。
  「ゆかた」には一般的には羽織は着ません。しかし、男性がきものを着る場合、羽織を着るのが基本です。襦袢を着て、足袋を履いて羽織を着ます。羽織は洋服で言うジャケットのようなものと思ってください。
  格の高いレストランの中には、ネクタイの前に「ジャケット着用」という店があります。羽織は男性のきものにとってそういう性格のものです。
 黒の絽と紗の羽織は私も持っておりますし、一年を通して最も手を通す機会の多いきものです。
 前述の如く、男性は羽織を着用します。袷、単衣、薄物、それぞれに羽織があるわけですが、最近は地球温暖化のせいではないかもしれませんが、五月ともなると暑い日が続き、単衣のきもの、羽織でも暑いくらいです。もつと南の地方では四月でも暑いかもしれません。私は五月はもう黒の紗の羽織を着ています。五月から九月初めまで黒の紗の羽織に手を通しています。黒というのは、どんな色の着物でもほとんど色を選ばずに着れるものですから重宝しています。
 ここまでは予備知識です。黒の羽織を着れるのはどんな着物かということですが。 前述の如く、浴衣には羽織は着ませんので、小千谷や綿の薄物を一枚で着る時、足袋を履かずに着る時には羽織は着ません。
 それ以外の絹物(お持ちの琉球絣、夏大島)には着ても構いません。 綿の着物にどうかと言われると、はっきりとは線引きできないものがあります。綿薩摩のように絹物と見まがうような綿織物もありますし、ゆかたに毛が生えたような綿織物もありますので。ただ、云えることは紗よりも絽の方が高級感がありますので、綿に羽織るのであれば紗の黒羽織の方がしっくりくるように思えます。
 綿の洋服を考えてみてください。スーツに下駄は履きません。しかし、ジーンズに下駄を履いてもおかしくはありません。洋服が下駄に合うのか、革靴に合うのかは判断していただきたいと思います。
 分かりましたか、答えになっていませんか?  分からなければ、またRESください。
 ゆうきさん 迅速に教えて頂きありがとうございます。 やはり、久留米絣の薄物には、絹ものはイマイチなんですね。 この着物は私にとっては珍しいので、お気に入りなのです。 着流しにします。
  久留米絣の薄物はほとんど売ってないので、阿波しじらの反物をたまたま持っていますので、これを羽織にしたらどうかなとちょっと今思っています。 しかし、これは薄物ではないなア。上布かなア。ゆっくり考えます。
  さて、在郷美人の話を書いたのは、着物の生地の区別のつかない人が非常に多いと言う事を言いたかったのです。 羽織を着れば、浴衣と間違える事もないだろうし、いちいち説明する手間も省ける と思ったからです。
 まあ、着こなしもやぼったい事は認めます。 単衣や薄物を着る場合は、白又は薄い藍の板染めの麻襦袢、もしくは綿の襦袢を着ています。
 浴衣の時は、白の肌襦袢のみです。 又、足袋は基本的に履きます。 但し、少し温かくなった時候からは、足袋ソックスをはきます。 柄の面白いのが多いからです。武家の履いていたような柄が好き です。 浴衣を着て街中を歩く事はあまりありません。花火大会、盆踊り、お祭の時くらいです。
 最近、祇園祭は毎年行っています。 毎年、室町錦小路の問屋・江一で浴衣3点セット(浴衣、桐下駄、ポリ帯)を8000円ほどで買って宵山をフラフラするのが好きです。この浴衣は寝巻きに早変わりします。 時々、袷を着る時に襦袢代わりに着ます。
 この下馬の着方は昔御袋さんからは、たしなめられましたが。 下駄はあまりはきません。疲れるからです。浴衣の時はもちろん素足です。 京都で買った鯉を彫った塗り下駄は、袷を来た時にたまに履きます。 基本的には畳表で裏が硬いプラスチックを張った草履です。
 雪駄はもったいないので、時々しか履きません。 足元が野暮ったいので、伊達には見えないようです。
  色々と教えて頂き、ありがとうございます。今後とも宜しく御願い致します。

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