303.教えてください   
  昨年4月から念願かなって着付けを習い始めたものです。
  結婚時には祖母が相談もなく用意してくれた喪服と、そのときに呉服屋さんのご好意で作っていただいた一つ紋の色無地があっただけでした。 (当初こんなものより現金をと思った私も、今では祖母の気持ちに感謝してます)
  そんな私も着付けを習い始め、きものが欲しいと思い、いろんなお店でいくつかのきものや帯を誂えました。 しかし、言われるままに購入したそれらは、柄ゆきで着用期間が限られるものや、 値打ちと聞かされ購入し、どれだけ値打ちかと調べてみれば、詐欺まがい!! など決して親切な店員さんとは出会えてないことが最近分かりました(くやしい〜)
  色々調べるうちにこちらのホームページに行き着き、勉強させてもらっています。 そこで今、私にとって一番の疑問についてお答え戴きたくずーずーしくメールさせていただきました。
  雪輪模様の着用できる季節は?ということです。 夏と言われる方、冬と言われる方、季節関係ないという方 調べ方が悪いのか、答えが見つかりません。 答えを知った上で着用したい。という気持ちが抑えきれず、申し訳ありません。
  お忙しいところ恐れ入りますが、お時間のあるときでかまいませんのでお答えいただければ幸いです。宜しくお願いいたします。
 はじめまして、ゆうきくんです。
  呉服屋はペテン師が多いので気を付けてください。私もその一人かもしれません。
  「雪輪模様の着用できる季節は?」という問いに答えられる人はいないでしょう。
  「これが答えだ」という人がいるので着物を着る人達が混乱し、着物離れの一因になっていると思います。
 この論争の根源には次のような命題があります。
「着物は季節の柄を大切にする」
「雪輪は雪をモチーフにした柄である」
「雪は冬の柄である」
以上を踏まえた上で考えてみましょう。
 夏と答えた人はやはり間違いでしょう。裏返せば「冬は着ない」と言う事ですが、上記のとおり雪は冬の柄である事は間違いありません。冬に着てはいけないという事はないはずです。
 冬と答えた人も当たっているとは思えません。夏の絽の小紋や訪問着、ゆかたに雪輪の柄はよく見かけます。夏に着れないとするとそれらの着物は何の為にあるのでしょうか。
 「雪輪」は雪の結晶を図案化したものだと言われています。図案化されたからと言って雪(冬)の持つ季節性が失われたものとは思いません。しかし、図案化された雪輪はデザインとして用いられる面もあります。雪輪の中に桜やその他草木をあしらったものや、弧を描いた雪輪の一部が柄を構成する要素に取り入れられたりもしています。
  そういう意味では、本来の雪イコール冬という範疇を越えて用いられる場合もあります。
 夏のきもの、ゆかたに雪輪が多用されるのは涼しさの演出ともとれます。「波に千鳥」の柄も夏のきもの、ゆかたに用いられます。千鳥の季節は冬です。
  製作者の意図によって雪輪の模様は冬に使われたり、夏に使われたりするのでしょう。
 色々と書きましたが、「雪輪模様の着用できる季節は?」と言う議論に定説を与えようとするのに無理があると思います。
  「雪輪」模様を配して冬を演出した着物もあるでしょう。涼しさを演出する為に「雪輪」模様を描いた着物もあるでしょう。「雪輪」をデザインの一部として用いている着物もあるでしょう。「雪輪が・・・」ではなく、「雪輪柄のそのきものが・・・」と言うのであれば着れる季節を特定できるかもしれません。
 先に揚げた「着物は季節の柄を大切にする」という命題は必ずしも季節の柄を特定することではないように思えます。
 日本のきものの決まりはそれほど簡単ではなく、単純な規則で表せないところに日本人の腹芸が感じられますがいかがでしょうか。
 丁寧にご回答いただきありがとうございました。
  雪輪模様は冬に降る雪を柄にしたもので 時に涼しさを表し、時に雪の降る季節を表すもの と理解できました。
  この柄に一目惚れしても、なかなか購入できないでいた私ですが おかげさまで、悩みは解決しました。 いつか雪輪模様のきものか帯を手に入れたいと思います。
  今後はもっと豊かな感性で着物の柄を捉えられるようにしたいと思います。
  結城様のお答えはすでにホームページ上にあるものですね 。それを理解できてないおバカな私に親切に対応していただきましたこと 本当に感謝いたします。
  今後もホームページを拝見し色々勉強させていただきます。 ありがとうございました

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