307.黒絵羽織のリメークについて  
 伯母に頂いた絵羽織(赤い花の刺繍)と母の絵羽織(オレンジ紫赤等の毬の染め柄)があります。 伯母の絵羽織を道中着に、母の絵羽織を名古屋帯に(そして道中着にするために足りない襟やライニングの布を母の絵羽織から取って利用)することを勧められました。
  絵羽織の色柄の道中着、そして名古屋帯は、どんな着物に合わせられますか?
  そして、一般的に見て、そのようなアイテムはおかしくないですか?
  上記のリメークにかかる代金が洗い張りも含め42000円というご提案ですが、 そのくらいの代金を払ってでも利用価値のあるアイテムになりそうですか?
  思い出の品を活かしたい思いもありますが、限られた予算の中ですので できる限り効率よく着物や小物を集めたいと思っています。

 親や他人から頂いたきものを仕立替えして来たり、他の物に仕立替えたりできるのは洋服にはないきものならではのものです。是非大切に利用してください。
  さて、二枚の絵羽織を道中着と名古屋帯に仕立替えされるとのことです。 まず、仕立ての可否について申し上げます。
  絵羽織から道行に仕立替えるのはよく聞きます。道中着の場合、おっしゃるように襟が足りなくなったり、剥がなくてはならないかもしれません。もう一枚の羽織から流用するとのことですが、なんとかできるだろうとは思います。 絵羽織から名古屋帯への仕立替えは容易にできるでしょう。 ただし、私は現物を見ていないのでどのように仕立てあがるかは保証できません。
  道中着は当然絵羽織の背中の絵羽柄を道中着の背中に用いるのでしょう。名古屋帯も太鼓の柄をメインにされると思いますが、絵羽柄によっては余り柄がしっくりこない場合もあろうかと思います。その辺は仕立てられる方がアドバイスされるものと思います。
 ご質問の、仕立替えた道中着、名古屋帯の用途についてですが、道中着については、絵羽織の絵羽をそのまま流用することになりますので、絵羽道中着と言うことになります。絵羽という概念は、きものの世界ではフォーマルに属します。江戸時代に絵羽のゆかたが創られていたことはありますが、ここ百年くらいは絵羽柄イコールフォーマルと言うことになっています。ですから、その道中着はやや格式のある道中着と思ってください。つまり、極普段着には着ないと言うことです。と言いましても生地の種類や染、柄によって変わってきますのではっきりしたことは申し上げられません。原則的にはフォーマルと思ってください。道中着というのはややカジュアルですので現物を見ないとどうも・・・と言うことです。
 私でしたら道中着よりも道行をお勧めいたします。絵羽の道行でしたフォーマルに着ますので、使い勝手もはっきりすると思います。
 名古屋帯は染め帯と考えてください。通常の染め帯が締められる範疇で絞めて構いません。と言いましても、染め帯の中でもややフォーマルのものから普段のものまでありますから、それは現物を見て判断してください。通常、染め帯は紬から小紋まで、一部付下げ程度まで締められるものもあります。
 絵羽織を仕立替えする場合、次のような工程を経て工賃がかかります。
 解き→洗い張り→仕立
 また、工賃以外に次の代金がかかります。
 長尺羽裏(おそらく丈をのばすので付いている羽織の裏では足りないと思いますので)あるいは羽裏足し布
 帯芯
  これらを全て考えると42,000円は相場より安いと思います。しかし、42,000円が安いか高いかは着る人の気持ちひとつでしょう。母親や伯母さんの思いがこもった仕立替えした着物が愛着をもって着れるようでしたらそれほど安いものはないでしょう。どのような道中着、名古屋帯ができるのかを考えて判断してください。

 ゆうきくんさん、早速のご回答ありがとうございます。
  そうなんですか、道中着はややカジュアルなのですね・・・ もう一度道行とすべきか道中着とすべきか、 お茶の先生などともじっくり相談してみたいと思います。
  工程については、まさにそのとおりで、 ただし羽裏だけは、途中から違う地柄になってしまいますが 母の羽織のものを継いで使えるとのことでした。 雑誌やネットでもいろいろな着物のコーディネートを見てみました。 黒い帯にワンポイントのあるもの(きっと仕上がりがそのようになるので)も 結構おしゃれに締められそうですね!!
  やはり家族や親戚が昔きていたものを形を変えてでも 大切に着ていくことにしたいと思います。
  ついでに…図々しいのですが写真を添付させて頂いたうえでご意見をお伺い致します。 私は花の刺繍の方を羽織ものに、染め柄の方を帯にしようと考えていますが どちらがどちら向きか、着物通の方からご覧になって 使い勝手等を考慮に入れてどうお考えですか? ちなみに私の体格は縦も横も小柄です。母は大柄、伯母は小柄です。
  また質問になってしまい申し訳ありません。

    

  画像拝見しました。
  道中着は絵羽柄をそのまま流用することになりますので、どちらでも構わないでしょう。
  名古屋帯の場合、太鼓柄の帯しかできませんので、どちらがうまく太鼓柄ができるかと言うことになります。おっしゃるように染め柄の方が良いように思われます。
 画像に映っているのは右後ろ身頃のようですが、通常左後ろ身頃の方が派手な柄(主となる柄)が付いていると思いますので、その柄がうまく太鼓に載るかどうかと言うことでしょう。胴柄もどこを使うかは仕立の腕によるでしょう。
 仕立てをする方は分かっておられると思いますが、念のため・・・。
 両方とも黒絵羽織ですが、もしも布をはがざるを得ない場合、表に流用するのは避けてください。黒と言っても同じ黒ではありませんので、流用した生地ははっきりと分かってしまいます。流用する場合は裏に用いるようにしてください。
 尚、当社でも仕立替え等承っておりますのでよろしくお願いいたします。

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