34.筋消しについて教えてください  
 最近、昔着物がブームになっていますが、かくゆう私も以前は紬好きだったのですが、おととし位からアンティーク物に目覚めてしまい、状態の良いものを探しては着ております。
  身長163センチなので身丈はどうにかなりますが、どうしても裄は直す必要があり、最近暇があれば「解いてお直し」の毎日を送っています。
  一応和裁を以前習ったので、自分で直しています。銘仙が主なのですが、やわらかものも直したいと思っております。 裄を出した跡はアイロンをかけて消していますが、消えたようでまた元に戻ったりしています。「筋消し」というのがあると聞きました。筋消しを自分でやる良い方法がありますでしょうか。やわらかものはさすがに自分では無理でしょうか。教えていただけたら幸いです。

 きものの仕立替はよく承ります。きものは何回も仕立て替えてこそきものの良さが分かると言うものです。私の店でも母親が嫁入りの時に仕立てたきものを娘の嫁入り支度にと頼まれることがよくあります。そこで一番問題になるのが、お加代さんのおっしゃる筋消しです。  
  きものは直線裁ちを基調としていますので、まっすぐに布を折り仕立てます。きれいに仕立てるには生地をきちんと折ることが必要ですので、生地には折り痕がついてしまいます。  
  母のきものを娘に、古いきものを若い人が仕立て替えるといった場合、ほとんどが裄出し、幅出しですので折り痕が出ることになります。(何故幅だしが多いのかは「続きもの春秋、巨大化するきもの」参照。)
  その場合は折り痕が残るかも知れないと了承を頂いた上で加工しています。それほど折り痕は消し難いものです。古ければ古いほど折り痕は取れ難いものです。  
  どうやって折り消しをしたらよいのか、私にははっきりと答えられません。通常折り消しは専門に出しておりますので。  生地の扱い、直しについて、私よりお詳しい方にご登場願います。

 筋消しは私も苦手です。 正直言いまして、専門的な方法はわかりません。
  その昔にも習っておりませんので自己流みたいな ものです。 ただ、いままで自分でやってみたことをお知らせ しますね。絹物という条件でいいでしょうか。
  「既製品で化繊」という場合は、殆ど消えないと 思っていただいていいかと思います。 既製品はとくに「きせのプレス加工」でしっかり 押しがかかっています。 それと、ミシン縫製の場合、針目跡がなかなかとれ ません。コートなどに多いですね。
  では絹物を自分でやる方法をひとつ 、和紙と薄い当て布(胴裏の残り切れなど)を用意します。 和紙の大きさは筋消しする部分に当たるくらいの大きさ ですから、そんなに大きいものでなくてもいいですね。 もし和紙が無い場合は、薄い当て布をもう一枚用意する といいかもしれません。
  和紙に霧吹きなどで平均に水分を含ませてください。 筋けしする布の上に、当て布と和紙を重ね、アイロンを 当てます。低温から中温で気長〜にやってください。 高温だと布によっては縮んでしまいます。 和紙に水を浸して絞って・・は止めましょう。 場合によっては水染みの原因になることがあります。 それと、間違ってもアイロンのスチームで・・なんて ことは考えないで下さいね。 万一水分がボタッなんて落ちたら、大きな水じみの 原因になります。 (恥ずかしながら、自分のきもので経験ずみです) それをアイロンで乾かしてとろうとすると、ますます 大きなものになります。 洗い張りに出さないといけなくなりますから、要注意です。
  化繊生地とちがって、{絹物は縮む}ということを常に頭 に入れておいたほうがいいかもしれません。 霧を吹いた和紙を直接布に当ててアイロンをしても いいのですが、万一を考えて、慎重に、気長にやった ほうがいいかと思います。
  紬系は比較的、この方法でも大丈夫ですが、縮緬などは 気をつけてくださいね。 この方法で気長にやっても、完全に消えるわけでは ありません。 洗い張りをしても前の筋が完全にみえなくなった・・ といことは比較的少ないからです。
  だいぶ直しをされておられるようですからもうご存知かと 思いますが・・ 筋消しとは関係ありませんが、「やけ」もありますね。 縫いこんである部分と出ていた部分は、たんすの中で ねていたものであっても、広げてみると色合いが違います。 光の当たり具合で違いがわかる場合もあります。
  裄だしの場合は袖幅と肩幅が広がりますね。 ある程度の筋は消えても、この色褪せなどが目立つ場合も あります。
  長たらしく、まとまりのない文章ですが、少しだけでも おわかりいただけたでしょうか。 プロの方が聞いたら「とんでもない」と叱られそうな やり方かもしれませんが、このようなやり方で筋を 目立たなくしてきました。
  染物屋さんはプロですから洗い張りなどの依頼のときに お聞きすることもできるでしょうし、和裁仲間のやり方 を聞くこともいいでしょう。
  たくさんの方からいろんなやり方を聞き、その中から ご自分のやりやすい方法、確実に目立たなくなる方法を 見つけられるといいかと存じます。 私の方法は、数ある中の一つと頭の片隅にいれてくださいね。 (恥ずかしながら・・・)
 レスありがとうございます。 洋裁も和裁もやるのになんと霧吹き持っていないんです。 結婚する前は母のいかにも霧吹きというタイプのを使っていたのですが、 そのうちにかわいいのを見つけようなどと思い現在に至っております。
  和紙を水につけて絞ればいいやーと思ったら 「和紙に水を浸して絞って・・は止めましょう。」 とのお言葉。すっかり考えを見抜かれているようで笑ってしまいました。 細かく教えてくださりありがとうございます。
  江戸っ子なので気長にやるのは難しいのですが頑張ってみます。 まずは霧吹きを買わないと… かわいさにこだわっている場合じゃーないですね。
「たくさんの方からいろんなやり方を聞き、その中からご自分のやりやすい方法、確実に目立たなくなる方法を見つけられるといいかと存じます。」
他の方がやっている方法がわかったらかきこむかも知れません。 これからもなにか質問があったらお尋ねすることがあるかと思いますが よろしくお願いします。
  以前筋消しの仕方を教えていただいたものですが、やっと霧吹きを購入して試してみました。
  和紙ではなく、胴裏を使用しましたが、バッチリでした。 ちなみに裄だししたのは、泥染めの大島だったのですが、綺麗に消えました。
  とても参考になりました。どうもありがとうございました。

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