350. 結婚式にこの着物はダメでしょうか?   
 おばあ様が茶道教室をしているお宅に嫁ぐ友人の結婚式に着物を着ていきたいなと思ったのですが、以前友人の結婚式に着て行ったことのある小紋を着て行っても良いか、あるサイトで相談したら「この着物は結婚式には絶対ダメ」と言われてしまいました。
  購入した呉服屋さんでは大丈夫と言われたのに・・・。うそだったのか?などと疑心暗鬼になってしまっています。着物の知識もないのに購入しちゃってなんだかしょんぼりです。
  お茶関係の人がいる式にあえて着ていこうとは思わないのですが、可能であれば格式ばっていない式に着ていけたらいいなと思い相談の投稿をしてみました。
  小紋の柄は松竹梅と菊だと思います。私の印象では派手な着物。 もし、着てきけないなら普段着てやろうと思い、現在、独学で着付けの練習もしています。でもでも・・・こんな派手な着物普段着る機会なんてなーい!!!と思ってしまったりもして。 ご意見いただけると嬉しいです。

 返信遅くなりました。 「絶対ダメ」「大丈夫」、どちらもきものに詳しい方の回答だと思います。
  全く正反対の回答にさぞお困りでしょう。なつめさんはどちらの回答を信用されるのでしょうか。ゆうきくんはそのどちらが正しいのか、裁定を下す立場にはありません。
 何度も申し上げているのですが、こういった件については下記の様に順序立てて考えてはいかがでしょうか。
 何時どんなきものを着るのか・・・これは着る人のいわば勝手です。何時どんなきものを着ようとも法律で罰せられることはありません。これが基本です。
 それでは、何時どんなきものをきても良いということになります。そこで考えなくてはならないのは、そのきものを着た時、その場で自分はどのような扱いを受けるのかということです。
  人は一人では生きられません。社会という枠組みの中で生きています。その社会(ここでは日本という)で許容される衣装で臨まなければなりません。
 では、許容される衣装とは何でしょうか。それは長い時を経て日本人がはぐくんできた伝統という慣習です。慶事のきもの、弔事のきものに違いのあるのは誰しもうなずける事と思います。
 したがって、この慣習に則したきものを着れば問題はありません。しかし、この慣習というのははっきりとした決まりがあるわけではありません。成文化されているわけではないので、人により、家により、地方により、また時代により慣習は微妙に違いがあります。
 慣習を言葉で言い表して伝えるのは非常に難しいことです。
  「小紋は普段着で結婚式には着ない」・・・これはよく言われます。決して間違いではないと思います。しかし、小紋という着物は幅の広い着物です。染めや柄により、普段着からあらたまった小紋まであります。最も格の高い小紋、と考えてみるとそれはカジュアルの域を出るのかどうか微妙なところですし、受け取る人によっても異なるでしょう

  「小紋は普段着で結婚式には着ない」という慣習は「大方当たっている」としか私は言えません。
 一方、「大丈夫」と云った呉服屋さんは、「この小紋は小紋の中でも格の高い小紋なので・・・」と云う気持ちからかもしれません。ただ、呉服屋さんの発言の中には利益を求める方に振れるという傾向はありますが。
 画像を見せて頂きましたが、私は「着れる場合もあるでしょう」としかお答えできません。この小紋は柄づけからして決して普段着の小紋ではありません。少し気を張って出席する場が相応しいと思います。帯は袋帯の様に見えます。通常小紋に袋帯は重すぎますが、この場合は十分に許容されると思います。
 これも何度も申し上げることなのですが、何故属する社会の慣習を尊重してきものを選ばなければならないのか、と云うことです。きもの選びは形式が重んぜられ、何故そのきものを着るのかという意味がないがしろにされているように思えます。
 きもの(に限らず衣装)は着る人の心を表します。出席する場の雰囲気を壊さず、立てるべき人を立てるのが出席者の心であるべきです。結婚式であれば新郎新婦を祝福する気持ちが現すきものを。弔事であれば死者に対して弔いと敬意を表するきものを。
 その小紋は「絶対にダメ」というきものではないと思います。しかし、「結婚式ならいつでも」という着ものでもないと思います。出席される結婚式がどのような方が出席され、どのような雰囲気なのか。そして新郎新婦にどのように思いが伝わるのかを考えて選ばれではいかがでしょうか。

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