405.胴裏の絹の価格の違い   
 胴裏の絹の価格の違いは品質の何に反映されているのでしょうか?
  叔母から貰った着物を洗い張りして袷にして胴裏をつけることにしました。 ある呉服屋では巻いてある生地を見せてくれて、12,000円でした。 遠方で呉服屋を営む叔母に値段を言ったら、あまりいい品質ではないものかもと いわれました。
  違う呉服屋では切って袋に入れて売ってある7500円と13500円のものがあり、 違いをきいたら「大まかに言うと耐久性の違い」といわれました。 新しくつくる訳ではないので、7500円の方でいいのではないかとのことでした。
  HPにあるように、単純に手間賃で小売価格が決まる世界になるよう、消費者も 見る目を養うことが大切だと思いましたが、呉服屋に一歩足を踏み込むと、古い着物を大切に引き継ぎたい、じっくり鑑賞したいという私の意志に反して、なんとしてでも新品を、買える範囲で一番上を・・・という暗黙のプレッシャーを話の端々から感じて大変疲れます。
 大きな要素は、糸と織り方によります。
 糸は語存知のように、現在はピンからキリまであります。
 国産糸を使ったもの、海外の糸を使ったもの、海外の糸で海外で織ったものもあると思います。
 国産の糸は現在量的に作っているのは群馬と山形だけです。他にも岩手や茨城ても作っているそうですが、極少量のようです。それらは「新小石丸」「上州絹星」「又昔」などの糸ですが、国の補助金を得てようやく成り立っています。日本人の人件費が高いこともありますが、品質は確かに良いようです。
  品質とは、糸の細さや均質性、強度などですが、海外の糸に比べたらずば抜けているという白生地屋の話です。
 海外の糸は、中国産が多かったのですが、最近はブラジル産が多いようです。中国産は価格が高騰してきていますので益々他の国にシフトしているようにも聞いています。
 胴裏地には二種類あり、一幅と広幅があります。
 一幅と言うのは、反物と同じ幅で織ったものです。もともとは全部そうだったのでしょう。
 広幅というのは、反物の倍の幅で織ったものです。明治以降、海外向けに輸出羽二重として広幅に織る技術が定着したことと関係があると思います。広幅に織ることによりコストを下げることができます。使用するときには半分に裁って使いますので片耳となってしまいますが、一幅と比べてそれ程のデメリットは無いように思えます。 「切って袋に入れてある」と言うのは広幅の胴裏でしょう。
 他に、糸の細さや打ち込み(単位長さ当り何本の糸が通っているか)などが価格に反映されると思います。
 以上が胴裏の価格を決める主な要素になるはずなのですが、市場で果たしてそうなのかは保障できません。小売段階で大きく変わってしまう場合が多いからです。
 胴裏の目で見て違いが分かるとしたら、よほどの粗悪品でしょう。素人目には分からないと思います。信用できる呉服屋さんに選んでもらうのがベストです。

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