47.調査依頼   
 今夏、僕の元に、一通のメールが来ました。 差し出し人は、未知の方でした。 メールの内容は、自分の持っている織物はいったい、何者であるか?というものでした。 僕も一応の見解を述べたのですが、「ゆうきくんにも、聞いてあげましょうね」ということになりました。 ゆうきくん、お願いしますね。


 問題の紬には「丸白」というマークが織り込んであります。これは米沢の白根沢織物の紬です。「ており紬」という織り込みも見えます。白根沢織物の紬の中で、ナショナルチェーンを中心に卸している紬だと思います。価格についてはコメントを差し控えさせていただきます。

 早速のご回答、ありがとうございます。 そうでしたか、米沢の生まれでしたか。 僕はてっきり、新潟か信州だと思っていました。
  ところで、この紬、ほんとうの手機なのでしょうか? 手機でやる必要があるような紬には見えないのですが。
 紬に限らず繊維製品の産地は容易に見分けられます。
  反物の裏に品質表示のシールが張られています。その表示には材質、長さとともにアルファベットと数字が書き込んであります。添付1を例に取ると、F−NG−5556と記載してあります。このNGというのは産地を表し、NGは新潟です。
  ちなみに山形はYG、京都はKT、東京はTKです。それに続く番号は登録会社の番号のようです。全て産地の頭文字を主に使っているようです。ただし、品質表示のシールを貼っていない物もあります。
  初めから貼られていないのか、それとも流通段階で不都合があって剥がされているのかは分かりません。
  洋服などでは産地ではなく企画した商社の所在地が記載されているものもありますが、紬などは産地のメーカーが登録しているようですので記載の産地と思って差し支えないようです。
  品質表示については法的に決められているようですが詳しいことは調べたことがないので分かりません。消費者センターなどに行けば詳しく教えてくれます。
  また添付2のように品質表示シールではなく、自社のレッテルに表示してある場合もあります。これは村山大島のレッテルです。東京ですのでTKと表示してあります。  
  問題の「ており紬」についてですが、名称はあくまでも名称と捉えた方が良いように思えます。奥飛騨紬もそうですが、名称は消費者に良い印象を与えるように名づけられます。「ており紬]と名づけたからと言って、手織でなければならないという法律は無いと思います。
  名称には「古くから使われてきた名称」「産地を表した名称」「織の性質を表した名称」「ウケを狙った名称」がありますので、名称で商品の性質を判断するのは危険だと思います。
 いやいや、勉強になりました。 ゆうきくん、ほんとに、ありがとうございました。 でも、品質表示のシールが剥がされていたら、 どうしたら、いいんだろうね?
  織り元のマークのデータベースがあればいいのにね。 ゆうきくん、作ってくれへんやろか? あかんかなぁ? あったら、便利やでぇ。 着物ユーザーに、ものすご、役に立つよ。 世の中には、出処不明の織物が、ごまんとあるからね。 ではでは、とんでもないことを口走りながら、僕は、向こうに帰ります。 この度は、まことにありがとうございました。

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