436.5つ紋の振袖   
 20年ほど前に購入した中振袖に5つ紋が入っています。
  このたび5歳の息子の七五三に着ようと袖を詰めてもらいましたが、5つ紋が入った着物は七五三や入学式に着ても良いのでしょうか?
  また知人の披露宴などには着れないのでしょうか?
  渋めのあずき色で腰から下に柄があります。袖を切っても下の方に少しだけ柄が残るので訪問着の5つ紋ということになるのでしょうか?
  肩などには全く柄が無く紋が目立ちます。紋の意味を全く知らず何も考えていませんでした。どうかお忙しい中とは思いますが宜しくお願いします。
 ご質問の中に2つの考察しなければならない問題が含んでいるように思えます。
  一つは、袖を切って訪問着としてお召しになるということ。もう一つは五つ紋についてです。
  まず前者について、袖を切って訪問着としてお召しになる方は多いのですが、考えなくてはならないのは、振袖と訪問着は別物だということです。 形の上では袖の長さのみがその違いとなりますが、柄付けは全く別物と考えなくてはなりません。訪問着や振袖は絵羽と呼ばれる柄付けがなされています。
  絵羽とはきもの全体を一枚のカンバスと見立てて柄を描くものです。柄の作者はカンバス全体を想定して柄を描きますし、振袖と訪問着ではそのタッチに大きな違いが有ります。名画の一部を切り抜いても絵にならないのと同じように袖を切った振袖が必ずしも訪問着の柄としてふさわしいかどうかは分かりません。
  物によっては、訪問着としておかしくない場合も有るでしょう。 現物を見なくては分かりませんが、今回の場合は、それを想定した上でのことだと思います。
  さて、五つ紋についてですが、紋は抜き紋でしょうか。 振袖は豪華さが求められます。昔は振袖に紋を入れたようですが、最近は紋は入れないようです。 その振袖の柄が裾模様、袖先の模様ということですので豪華さを演出するために五つ紋を入れたのでしょう。
  無地系、裾模様系の振袖に紋を入れることはありますが、抜き紋ではなく花紋、飾り紋を入れる場合が多いようです。 花紋は家紋の周りを装飾するもので、飾り紋は家紋ではなく草花などを紋の様にあしらったもので、いずれも紋の「しゃれ紋」とされ、いわゆる紋付の紋とは一線を画するものです。
  こういった「しゃれ紋」であれば、柄の一部という見方もありますので、紋が重過ぎるといった解釈からは離れます。 しかし、家紋の抜き紋が五つ付いているとすると、やはり紋付の範疇となるでしょう。 五つ紋の訪問着をどのように捉えるかは、人それぞれによって違います。
  「五つ紋付を七五三で着ても良いですか」 と複数の人に質問すれば、ある人は可、ある人は否と答えるでしょう。もちろん私が可あるとは否と答えても、それが正解だとはいえません。 着物着る環境、雰囲気によっても違います。 一緒に神社に詣でられるご主人が、もしもTシャツGパン姿であったなら、見る人に違和感を与えます。ご主人が紋付袴で詣でられるのであれば、見る人にとって 「あのご夫婦は、なんと子供さんの事を大切にしているのでしょう。」 という見方になると思います。
  きものを着るということは、規則に従ったTPOをこなせばよいというものでは有りません。 答えにならなくて申し訳ありませんが、はっきりと可否をお答えすることがかえって誤解を与えるようなことになるとも限りませんので。
 ご回答ありがとうございました。
  あまり深く考えずに着たい着物を着る事は別に悪い事ではないですね。
  購入した店に紋について問い合わせたところ、当時から勤務しておられた店員さんがおられ、その紋は白抜きではあるが、大きさが大きいため飾り紋だということでした。なので気にせず着たらいいと。
  着物って現代ではある意味着物を着ただけで十分礼装なのに、着物しか無かった時代のセオリーみたいなのが残ってて、ちょっと面倒ですね(汗)一般人からしたら、どんな着物でも浴衣以外は全部正装なんですけどね。

|戻る|