491.質問ではなく応援です!   
 「きもの春秋」拝読しました。 うなずくこと多し、でした。
 中でも着物や帯を大切に扱う、ということは本当におっしゃる通りです。
  【勝手に書かせてください、私の着物ポリシー】
・着物に触る前は必ず手を洗う。見えなくても人の手には皮脂がついている。
・呉服屋で着物や帯には絶対に触れない。 体に当ててもらう際はアクセサリーや腕時計は外す。 織りの帯や刺繍に万が一のことがあったら大変。
  【現実】
・しかし最近、「一流」として有名な呉服屋の店員さんが、 伸びたツメにマニキュアを塗り、さらにビーズみたいなキラキラしたやつをくっつけた手で帯を扱っているのを見てしまいました。 危ない。ひっかかったらどうするの。私はハラハラ。
・大きな宝相華文様が唐織で織り出された袋帯を妹の成人式に貸しました。 結び方はどう考えても「たて矢」か「ふくら雀」でしょう。 しかし、着付けが終わる時刻に仕事先から美容院に到着してみると、 なんとなんとなんと! 帯には折り紙を1センチ幅で細かく折ったみたいな謎の「ひだひだ」ができていて、 大胆で優美だったはずの宝相華文様が見えない、帯の柄が死んでいる、 そしてあんなに細かく折られたら帯さえも死んでしまう…。
  帯がかわいそう。 まずは大切に扱って。 そしてできたら帯の柄を生かす帯結びにしてあげて…。
 応援いただきましてありがとうございます。
  私は呉服屋として呉服屋をやめたくなることがあります。 商売ですからお客様の要望に応えなくてはなりません。しかし、自分では納得のいかない対応をせざるを得ないことしばしです。
  創作結びをしてきた振袖のお客様には「ステキですね」と言うほかありません。 きものと帯がまるで合っていないのに(染の訪問着に紬の帯など)説教するわけには行きません。
  きもの春秋でも何度も書いてきました。 誰がどんな格好をしようと勝手なのです。自分が主張しようとするファッションはその人の個性であり他人がどうこう言うことではありません。 しかし、文化は(着物や建築等すべて歴史的に創ってきたものは)歴史と伝統があります。今のような形になるまでは多くの人の試行錯誤があり、もっとも合理的かつ美しく仕上がっているのが伝統文化です。その伝統文化を理解してこそ次の文化が創られます。
  しかし、現代の着物を取り巻く環境は、歴史も伝統も知らずにきものをおもちゃのように扱っている例がおおく見られます。 喪服をおしゃれ着として着ている人を見かけました。
  「喪服は不祝儀の着物として着られてきた」という事実を知って、その上で喪服を着るのは、文化に対する正当な挑戦であると言えます。市民の指示を得られるかどうかは別問題ですが。
  しかし、喪服は何の為の着物かを知らずにおしゃれ着として着るのであれば日本の文化を破壊する行為と言えます。
  日本人であれば誇りを持って伝統文化であるきものを理解し、その上できものを扱っていただきたいと願っております。
 質問ではないのにご返信いただき、あらがとうございます。
  心温まる話、私が尊敬する呉服店のことを書かせてください。
  京都のお店ですが、東京で展示会もします。 展示会で見た訪問着(90万円弱)が欲しくて京都まで行ったときのことです。
「あれは売れてしまいましたが、お好きであれば全く同じようにつくることもできます。でも、(あなたが着るには)少しお地味でしたよ。」
  そして、私に最高に似合う別の訪問着(華やかさと落着きのバランスが神業レベル。今着ても似合うし50代でも確実にいけると直感的に感じられた)を出してきてくれました。 お値段は約40万円。
  高いほうの訪問着は緻密な刺繍が多く配されているため、 お値段が高くなってしまう。でも見た目は少し地味。 勧められた訪問着は刺繍は少ないけれど裾がぼかしになっていたり柄が大き目なので、華やかさは十分。 コストパフォーマンスが良い着物なのだと思いました。
  しかも「高いほうの訪問着なんてもう欲しくないよ」というくらい、 色が私に似合っていました。 高い着物を売ることもできたはずなのに、 あなたには地味すぎますよと言い、 値段が半分以下の、その人に本当に似合う訪問着を出してくる。
  私は着物のことは何も分かりません。 でも、「この人に任せておけば安心」というお店があると、 ゆったりした気持ちで着物を選べます、楽しめます。
  「ゆうきくん」さんも、そんな店主さんなのだろうと想像しています。 これからもがんばってください。

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