501.日本の絹のマークについて  
 先日反物を購入しました。 丹後ちりめんで 日本の絹 のスタンプが押してありました。 裏にうろこ紋、表に草花紋が織りだされているものでした。
  日本の絹 は、たしかシールもあったと思うのですが、 スタンプとシールの違いについて教えてください。 私なりに調べたところ、スタンプは「日本で織られた物」 シールは「日本で織られ日本で染めたもの」という事のようですが このような理解でよいでしょうか?
  では、スタンプだけの物は 染は日本以外の国でなされたという事になりますよね。 今は主に何処で染められているのでしょう?(中国?) 教えてください。
 日本の絹につきましては次のように認識しています。
  スタンプは白生地に押すものです。白生地は染色しますのでシールでは具合が悪いと言うことでしょう。このスタンプの意味するところは「日本で織られた白生地」です。
 シールは染色された製品に貼られます。シールを貼られた切れ端の方が見栄えがよいと言うことでしょう。このシールの意味するところは「日本で織りかつ染められたもの」と言うことになっています。
   以上からすれば、シールが貼られた反物には必ずスタンプが押されていることになります。染めた反物の場合、スタンプが見えなくなってしまう可能性はあるでしょう。
 以上が「日本の絹」証紙の本来の意味と思います。しかし、話は複雑でこれに留まりません。
 「日本製」というのは何を意味するのでしょうか。
  きものの表示について、かつて国会で問題になったようです。 「日本製」の本来の定義は、「最終製品を日本で作った物」という意味のようです。(法的なことは弁護士に聞いてください。)
 「最終的に製品にしたのが日本」と言うことですから、パソコンは日本で組み立てれば「日本製」です。インテルのCPUが組み込まれていても、台湾製の部品が使われていてもです。反対に中国で作られたパソコンは、部品が日本製であってもあくまでも中国製です。
 絹の原料である繭から製品である着物になるには多くの工程を経ています。
  1.製糸・・・繭から糸を採る
  2.製織・・・糸を織って生地にする
  3.精錬・・・生地の糊を落とす
  4.染色・・・染めて反物製品にする
  5.仕立・・・仕立てて着物にする
  「日本製」の定義からすると、仕立て上がった着物は、仕立てが日本であれば中国で織られても染められても「日本製」と言うことに成ります。その事が国会で取り上げられていました。どう決着したのか分かりませんが、消費者としてはその意味を十分に理解しなければならないでしょう。
  「日本の絹」のスタンプは2.を保障する物です。1.がどうであろうとスタンプには関係ありません。つまり糸が中国製であってもブラジル製であってもです。尤も、現在日本製の繭は山形と群馬でしか作られていません。(極少量は岩手や茨城等でも作られていますが)
  しかし、補助金が止められたので数年後には姿を消すはずです。
 シールは2.と4.を保障する物です。スタンプと同じように1.や3.を補償するものではありません。
 消費者が「日本製」をありがたがるものですから、白生地に「製織地 日本」とか「精錬地 日本」などとでかでかと表示されているものも目立ちます。これらは「日本」の二文字を強調したいが為のものと思われても仕方がないと思います。つまり、糸も織りも中国でやったものを日本で精錬したと言うものもあるでしょう。それらのトリックは消費者には分かりずらいものです。
  必ずしも中国製や韓国製が悪いとは限りませんが、正確な情報が消費者に伝わりにくいことは確かです。
 着物の証紙の類は様々なものが創られていますが、なし崩し的に意味を成さなくなっているものもあります。西陣では「手織りの証」というのが創られましたが、類似の証紙が出回り余り取りざたされなくなりました。
  博多織の証紙は残念ながら、基準が変更され、私の目には信用できないものとなってしまいました。(きものトピックスNO.12 博多織工業組合証紙改定)
  きものの証紙に関してはよくよく気をつけて見なければならないと思います。売り口上に誘われるのはお勧めいたしません。

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