57.入学式の装いについて   
 ホームページのエッセイを興味深く読ませて頂きました、とても勉強になります。 ところで表題について教えてください。 入学式に着物を着ようと思います。
★色無地紋付絵羽羽織にする場合
1.絵羽羽織はどのような柄がよいと思いますか? 持っているのは洋花柄です。
1.-1この場合、絵羽羽織に紋を入れますか?また入れるとしたら抜き紋でしょうか。
2.羽織物がある場合の色無地は紋を入れますか、また入れるとしたら抜き紋ですか。
3.袋帯はどのような文様・色合いがよいでしょう?
4.格の高い名古屋帯はどうでしょうか。また、どのような柄・色だとよいと思いますか?
★羽織を着ない場合
1.色無地は紋を入れたほうがよいですか。
2.桜柄の袋帯を持っています、桜の季節にピッタリな色、柄ですが、桜柄しか入っていないので着用は4月上旬だと、どうでしょう?
3.上記の質問とは若干違いますが、あわせる帯は例えばこのような感じはどう思われますか?
4.入学式のバッグ・草履はどのようなものをあわせますか? やはり3枚で2枚目に布が貼ってあるものでしょうか。
色々支離滅裂な不躾な質問で申し訳ありませんが、ご回答ください。 宜しくお願い致します。

 ホームページ訪問いただきましてありがとうございます。
 さて、入学式に何を着たらよいのかについてですが、特に着物と柄に悩んでおられる様子です。きものが縁遠くなった現代、たまにきものを着ようとすると、ほとんどの方が同じような悩みを抱かれるようです。余りきものを着たことがないものですから、間違いのない着物の着方を何方かに尋ねたり、ものの本に頼ったりされるようです。
  つまり、着物を着る事に不安を覚え、自分が着ている着物を他人に非難されないようにと思うのでしょう。そんなことが重なると、つい「着物は面倒くさい」と着物離れに拍車をかけてしまうのです。
  きものを着る時にはそんなに深刻に考えないで下さい。大まかな着物の作法は絶対に守らなければなりませんが、些細な点は鷹揚に考えてくださって結構です。
  例えば、ご質問の中に
「羽織を着る時と着ない時では色無地の紋を入れるのか?」
というのがあります。 もしも、羽織を着たときには紋を入れず、着ない時には紋を入れる、としたとしましょう。それを厳格に守ろうとすれば、羽織を着る時の色無地と着ない時の色無地を別個に用意していなければならなくなります。
  きものはそれ程型にはまったものではありません。色無地を何枚も用意できる人であれば、紋を入れない色無地、紋の入った色無地、また紋の種類も縫い紋、日向の抜き紋、中蔭の抜き紋、総蔭の抜き紋とその場に合わせて着換える事もできるでしょうが、普通の人はそこまでは揃えられませんし、そこまでする必要もありません。
「入学式にはこれしか着てはいけない。」というきものはありませんので柔軟に考えてください。
  さて、前置きが長くなりましたが、ご質問につきましては次のように考えます。
  ご質問の項目とは合致しませんがご了承願います。  
  まず、絵羽織というのは黒絵羽のことでしょう。色無地に黒絵羽折というのは昔は入卒式の制服のようなものでした。紋は入れる場合と入れない場合がありましたが、入れない方が多かったように思います。ただし、絵羽ではなく黒無地の羽織の場合は紋を入れるのが普通です。
  柄については好き好きでよいと思います。柄は個人の個性ですから 羽織を着る着ないと色無地の紋は関係がありません。
  上述したように色無地を何枚ももてない場合、主に式服として着る場合が多ければ紋を入れておくのが良いでしょう。
  帯は最近は何でもかんでも袋帯をする傾向にありますが、留袖や訪問着は袋帯でなければなりませんが、色無地はむしろ名古屋帯のほうが良いと私は思っています。
  名古屋帯も色々ありますが、おっしゃるような格の高い名古屋帯であれば充分です。(袋帯ばかりで名古屋帯が減ったのは呉服屋が高い帯ばかり売ろうとした結果だと私は思っています。)
  帯の色や柄も個性ですので、何が良いとは言えません。四月上旬の桜柄は構わないと思います。
  どちらの地方か分かりませんが、桜はまだ散らないと思いますし、入学式イコール桜というイメージは日本人の心にありますから。
  草履とバックに付いてですが、これも個性の範囲なので詳しくは言えませんが、セミフォーマル物が良いと思います。留袖などで使われる佐賀錦のギラギラしたものは重過ぎます。
 入学式のきものに紋は入れるのか、どんな柄でなければならないのか、という事は全くありません。入学式という子供の人生の節目を祝うのに相応しく、他人に不快感を与えないきものを考えてください。形式よりもそちらが大切ですから。

 とても丁寧なご回答ありがとうございました。 本当にゆうきくんさんの仰るとおりです。
 
私の周りに、またそのような式典に着物で来られる方が大勢いらっしゃれば悩むことなく選べると思いますし、呉服屋さんに問い合わせてもまちまちのお返事ばかりでどうしたものかと・・・・。
  名古屋帯でもよいのですが、と紹介してもらおうとしても名古屋帯の方が価格はおたかいのでしょうか、袋帯ばかりですね。 着物に通でないと格の高い文様、と言ってもピンときません。
  吉祥文様だと鶴亀は結婚式のような気がしますし・・・。 金銀抑えた色目の方がべすとでしょうし、そうするとお茶会の場に相応しいと言われるような色目・柄の帯でしょうか。(名物裂ですとか?) 鳳凰だと帯は持っているのですが、(まだ持っているだけで使っていません。)鳳凰も結婚式のような気がしますが?? いわゆる古典柄・花鳥風月(←この柄の名古屋帯があるのかはわかりませんが)・華紋など数多い文様があります。
  着物の色にしても洋服感覚で選ぶことになるでしょう。 格付け・またTPOにあった文様の紹介・着用季節のアドバイス、そして色にしてもそのような紹介されている本なりホームページなりがあれば大分困らなくなると思います。
  文様辞典は数冊持っていますが、着用していく場所・季節など私が持っているものには記載ございません。 最近着付けと和裁を習い始めました。自分のものを縫えるようになったらどんどん和服生活をしていこうと思っています。
  今までも知らずして恥をかいたことも数回あります。 子どもの晴れ場に相応しい和服に頭を悩まされるのは、また楽しいものです。
  お手すきの時にで結構ですので 『着物に通でないと格の高い文様、と言ってもピンときません。 吉祥文様だと鶴亀は結婚式のような気がしますし・・・。 金銀抑えた色目の方がべすとでしょうし、そうするとお茶会の場に相応しいと言われるような色目・柄の帯でしょうか。(名物裂ですとか?) 鳳凰だと帯は持っているのですが、(まだ持っているだけで使っていません。)鳳凰も結婚式のような気がしますが?? いわゆる古典柄・花鳥風月(←この柄の名古屋帯があるのかはわかりませんが)・華紋など数多い文様があります。 』   
↑ 選択する文様についてもう少しアドバイスをいただけませんでしょうか。 もし質問の仕方が悪うございましたら、ゆうきくんさんの奥様が入学式に色無地を着ていかれるとしたらどのような柄・文様の帯を候補に挙げられますか? また、名古屋帯(格の高い)の場合色無地は紋を着けた方がよろしいのでしょうか。
  お手すきの時で結構ですのでどうぞ宜しくお願いいたします。

 私の説明の仕方が悪かったようです。  
  名古屋帯は一般には袋帯よりも安価です。袋帯は袋帯を締めるべき時があり、名古屋帯は名古屋帯を締めるべき時があります。
  しかし、呉服屋が高い袋帯を売ろうとする余り、何でもかんでも袋帯を締める(締めさせる)といった風潮ができてしまいました。安価な名古屋帯で済めばもっときものを気軽に着れるのにと思っています。  
  さて、柄の説明には少々回答に苦慮しております。  
  柄を言葉で説明するのが難しく、また柄名(例えば「吉祥紋」など)のイメージが必ずしも共有しているとは限りません。特定の柄名を挙げた場合、曲解されて其の柄しか合わない、と受け取られる事も懸念しています。  
  何度も申し上げるように、きものと帯は無限の組合せ、着方があり、何時はどのきものと特定されるわけではありません。  
  それでも帯の格についてお話しなければなりません。添付画像は二本の名古屋帯です。どちらも九寸織名古屋帯という範疇に属します。さて、この二本の帯はどちらの格が高く思えるでしょうか。
  帯の格というのは価格とは関係がありません。高価でも格の低い帯があるのはきものの結城紬と同じです。
 この二本の帯では右が格の高い帯です。言うまでもなく直感でお分かり頂けると思います。
  右の名古屋帯は付け下げにもできる格があります。  
  では何が帯の格を決定するのかと言うと、私も正確に言葉には表わせません。経験上その帯がどのきものに合わせられる、という半ば主観的なものかもしれません。無い知恵を搾り出して申し上げれば次のようになるかもしれません。  
  格が高い、という事は儀式と関わりあっています。歴史的に儀式に用いられてきた物が格が高く、普段に庶民が用いていた物は格が低い、ということでしょうか。
  では、儀式に用いられてきた物といえば何なのでしょうか。
 第一に金や銀があげられます。金や銀は希少金属として古来世界中で珍重され、貨幣の基軸とされてきました。金をふんだんに用いる事は権力を誇示することでした。また、金は仏の象徴として用いられ、仏事には必ず用いられるものです。為に儀式に金銀はつきものです。金糸銀糸、金箔銀箔は晴の衣装を飾る物ということが出来ます。 反対に普段に金を用いる事はありませんでした。  
  第二に、仰るような吉祥文様をはじめとして古来儀式に用いられてきた柄というものは格が高くなる要素と考えて差し支えなさそうです。  
  第三に、「普段は見せない模様」というのも格の高い模様の条件かも知れません。鶴や亀の柄は留袖にも取り上げられる題材ですが、普段に鶴や亀の柄のきものや洋服を着ればどうなるでしょうか。
「あいつはオメデタイ」
と後ろ指を差されることになります。格の高い柄というのは「この時だからこそ・・・・」という気持ちが込められているようです。  
  巧く説明できませんが、帯やきものの柄の格については多くの帯、きものを見て目を肥やしていただくのが一番だと思います。半日くらいかかって面と向かって説明できれば良いのですが、WEB上ではこの位しか説明できません。
  色無地の紋については名古屋、袋に関わらず、式服として用いる場合は紋をつけた方が良いでしょう。
 お忙しい中、この度もご丁寧な回答感謝しております!!
>>名古屋帯でもよいのですが、と紹介してもらおうとしても名古屋帯の方が価格はおたかいのでしょうか、袋帯ばかりですね。
> 私の説明の仕方が悪かったようです。
  いえいえ、これは「格のある名古屋帯」を紹介していただこうととあるネットショップへ連絡を入れたところ、「名古屋帯の方が今時分高値になる」とのことで袋帯の写真を送っていただいたので格の高い名古屋帯は高いものなのか、と思った次第です。 言葉が足りませんで失礼致しました。
> 名古屋帯は一般には袋帯よりも安価です。袋帯は袋帯を締めるべき時があり、名古屋帯は名古屋帯を締めるべき時があります。
  はい、袋帯はやはり結婚式などのフォーマルですよね?(←違っていましたらどなたかご教授ください。)
 とてもよくわかりました。 組み合わせ・TPOについてはもう「経験」しかありませんね、当たり前ですが・・・。 やはり着物姿の多いところへ出向かないことにはどうしようもないわけです。 もしくはご近所の呉服屋さん・デパートの店員さんと仲良くなるとか・・・。
  今回もありがとうございました。 ど素人のどうしようもない質問にも誠実にお答えくださって、ゆうきくんさんはどんな方なんでしょうか。 近くではありませんが、何かの時には是非お店に立ち寄りたいと思いました。 本当にありがとうございました。
  お寒うございますが、お体ご自愛くださいませ。 また、ホームページの方楽しみにしております。

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