62.卒業式で袴を着ようと思っているのですが・・・
 はじめまして。 インターネットで検索していたら、偶然『きもの春秋』を見つけ、大変興味深かったため、隅から隅まで一気に読んでしまいました。その後、このコーナーを発見しました。
 タイトル通り、卒業式に袴を着ようと考えておりますが、着物の本を図書館や本屋さんで色々読み漁ってもどうしてもわからないことが多く、思いきってご質問してみることにしました。よろしくお願いいたします。
  先日、着物と袴を選んできました。昨今の学生生活では普段の生活において滅多にお着物を着る機会もなく、当然ろくな知識が無いながらも、卒業式という式典に臨むことでもあるし、あまりちゃらちゃらしすぎるのも・・と考えて、お着物は明るい薄紅色の色無地(地紋が入っているので紋綸子と言うのでしょうか?)に一つ紋、袴は無地の紫色を選んでみました。
  袴の下の着物は振袖を着るという友人の話を聞いて、色無地とはちょっと地味すぎる物を選んでしまったかとすこし後悔もしましたが、お顔映りも良いお色で気に入ったものですし、決めてしまったものを変更するのもどうかと思い、ちょっと地味でも、お着物はそのままで良いかなと考えております。
  悩んでいるのは、小物の類です。草履は母が若い頃履いていた銀色の物を借りようと考えておりましたが、店員さんは
「袴で白系の色が足元にくるのはおかしい、皆さん黒系のダークな色を履かれますよ。ブーツの方も多いです」
とおっしゃるのですが、そういうものなのですか?
  ブーツは普段着っぽい感じがして、できれば草履を履きたいのですが・・・。
  また、店員さんは「格式のある場では伊達襟は使用するものではない」ともおっしゃいます。卒業式は春ではありますが、まだ肌寒い季節であること・色無地はおそらく周囲の人たちに比べると地味である(袴の下に振り袖を着るという人たちも多くて)こと、もあり、おかしくないのであれば(少しは雰囲気が華やぐかな?という下心もあり)伊達襟をつけたいと考えているのですが、やはり場にそぐわないのでしょうか?
  髪形については、やはり袴をはくときはアップにせず、後ろに垂らすものなのですか? 個人的には、アップにした方が項もすっきり見えて良いかな?と考えているのですが・・・。
  いきなりたくさんのご質問をしてしまいましたが、お返事いただけますと嬉しいです。よろしくお願いいたします。。

 返事遅くなりました。まずはご卒業おめでとうございます。
  さて、袴についてですが履物に迷っておられるようです。 女性の袴は平安時代頃に一時流行し、その後すたれましたが明治に入って華族の女学校で袴を穿くようになったのが現代のルーツだと思います。明治時代は西洋文化が流入し和洋折衷の文化が生まれました。袴にブーツと言うのはその時の名残だと思います。
  ブーツにするか草履にするか。どちらでもかまわないと思います。私の好みはやはり草履ですが、ブーツでもかまいませんし、どちらが多数派とうこともないと思います。自分が履きたい方を選んでください。
 問題は色ですね。「袴に履く草履やブーツはダーク系が多い」そう言われればそんな気もしますが、決して薄い色の履物を履いていけないという決まりは有りません。 私の店でも草履はたくさん置いていますが、若い人ほど草履選びに苦慮しているようです。迷っているお客様にアドバイスして差し上げますが、
「きものが何色で帯が何色・・・だから草履は何色にしたら良いのかな」
と真剣迷っている方が多いのです。しかし、何色の着物には何色の草履を履かなくてはならないという決まりは有りませんし、何色には何色しか合わない(他の色は全て野暮)ということもありません。もしも、そうだとしたら、きものの枚数分だけ草履を揃えなければならなくなります。草履を売る者にとってはありがたい話ですが。  
  私がお客様にアドバイスする時は次のように説明します。
「今きものは伝統的な色を選ばれる方と現代的な色すなわち洋服感覚で選ばれる方がいらっしゃいます。若い人でしたら伝統的な華やかな色の着物であれば伝統的に若い人の草履であれば大抵おかしくはありません。後は自分の感覚で選ばれたら良いでしょう。逆に現代的なくすんだ色の着物の場合伝統的な色の草履は合わないことが多いです。くすんだ濃い緑色の振袖でしたら伝統的な明るい華やかな色は合わないことが多いでしょう。伝統的な色のきものには伝統的な色の履き物、現代的なきものには現代的な履き物、という位の制限で考え、自分の好みで決めてはいかがでしょうか。」
 伊達襟については晴れ着にしてはいけないという話は初めて聞きました。ちょうど小物やさんが来店したので聞いてみましたがそのような話は聞いた事がないということです。
 髪形についても個人の好みの域を出ないと思います。上記の小物屋さんは
「わしの好みは垂らした方やけどな。」
  と言っていました。

 お返事いただいき、ありがとうございます。
草履の色については、お着物とあわせた雰囲気・色彩が浮かなければ華やかなお色でも大丈夫ということですね。ダーク系でなければおかしい、と言う訳ではないとわかって、ほっとしました。(^^) 母の草履は、素人目にもとても丁寧なつくりをしておりまして、履けるものならばぜひ履きたい(眠らせておくのは勿体ない!)と思っておりましたので、母ともども喜んでおります。アドバイスいただいて、本当にありがとうございます。
  伊達襟のお話しについては、
「(店員さんには申し訳ないのですが)ちょっと眉唾ものだなぁ」
と密かに思っていたので、やっぱりというか、安心しました。
  髪形は、うーん。やっぱり垂らした方が学生らしいのでしょうか?どうしてもアップにしたいという訳でもありませんので、美容室の方と相談してみます。
  ご相談に乗っていただいて、何だか、おどおどせずに袴を穿ける気がしてきました。着こなせていないお洋服は、和洋問わずみっともないというか、お洋服(お着物)がかわいそうというか。初めての袴なので、
「おかしなところは無いか、着こなせるだろうか」
といったむやみな心配ばかりで、かなり構えてしまっておりました。”着物を着る”のではなく、”着物に着られてしまう”ところでした。。(汗)
  今回は本当にありがとうございました。 思い出に残る素敵な卒業式にしてきたいとおもいます。。(*^-^*)

 こんにちわ、袴の話なので、ちょっとだけ。

>髪形は、うーん。やっぱり垂らした方が学生らしいのでしょうか?どうしてもアップにしたいという訳でもありませんので、美容室の方と相談してみます。

 袴はもともと宮中の女官の服装(更に遡れば十二単にいきつく)から出ています。
  明治になって働く子女、学校で勉強する子女の衣服として考案されました。 というわけで、髪型も女官の髪型が元になっています。
  これらは下げ髪。 「学生らしい」というよりも、元をたどった場合に下げ髪という次第です。 あとやってみるとわかりますが、振袖にあうような髪飾りも華やかに結いあげた髪型は キリっとした袴姿には似合いません。
  袴姿の着物の着付けの特徴としてくりを大きく開けずにきっちり目に着るというのがあるのですが、この襟元と結い上げ髪が合わないような気がしています。
  美容師の方にどういう着物と袴かを見せて相談し、あう髪型にされるとよろしいかと。 ちなみに、お草履ですが、近所の某幼稚園の先生が揃って卒園式に袴姿なところがあるのですが、そこは、紺の袴にピンク系の無地着物、足元は錦糸の草履です。 草履の場合は袴は長め、ブーツやパンプス+黒ソックスの場合は袴は短めのようです。 宝塚の生徒さんは、短めの袴に草履ですので、草履の場合は長くなくてはいけないという決め事があるわけではないと思います。
  ご参考になれば。 よい卒業式を迎えられますように

 優妃さん。

>明治になって働く子女、学校で勉強する子女の衣服として考案されました。

 明治時代、華族女学校(学習院女子の前身)の舎監であった下田歌子が、宮中で使われていた裳姿では…と、動き易い(海老茶の?)袴を考案し採用されたとの話は読んだことがあります。 (その後それを真似て、各地の女学校に広がったとか…。海老茶の袴は、女学生の代名詞となりました。) ですから女学生のものだと思っていましたので、働く子女が着用したという話は初耳で興味津々です。そのお話は何処からなのか、解りましたら教えていただけませんか?

>ですから女学生のものだと思っていましたので、働く子女が着用したという話は初耳で興味津々です。

 そのお話は何処からなのか、解りましたら教えていただけませんか? 私は逆に、電話交換手さんとか、製糸工場の女工さんとかが袴姿の絵図を見たことがあるので「当時のキャリア・ウーマンの服装」だと、思っていた次第です。 私が最初に袴姿を見ましたのも、学生さんではなく、幼稚園時代の教師の袴姿でした。 卒園式は教師揃って袴姿でしたが、一番年配の教師は平時も袴に着物姿でした。 (私は戦後生まれですが、まだぎりぎりそんな人も残る時代でした) サイトにある情報では、働く女性が着用したという旨、某平安装束で有名なサイトに掲載されていますが、こちらにそのサイト名まで記載してよろしいものでしょうか。

 今日は、優妃さん。わざわざありがとうございます。 こちらはゆうきくんのコーナーですので、遠慮をしたほうが宜しいかと思います。
  袴という事で、着物掲示板の方に載せて頂けますでしょうか? 宜しくお願い致します。 (最初の電話交換手9人が「良家の子女で桃割れに胸高な袴姿だった。」との話は先程見て参りました。後のお話も興味津々、とても楽しみにしております。)

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