69.明石   
 先日、袱紗帯についてお尋ねした者ですがありがとうございました。
  明石の着物について生地の本など調べてみたのですがなかなか見つからなくて教えていただきたいのです。
  明石は地名から由来しているのでしょうか?現在も出回っているのでしょうか、余り見たことはありません。紗とは違うシャリ感は、特別な製法があるのでしょうか。下着には、平絽などが使われたのでしょうか、全部透けてしまいますので。お忙しい時にすみませんが、よろしくお願いします。

 明石ちぢみは現在新潟県十日町で織られています。「十日町明石ちぢみ」とも称しているようですが、その歴史は百年くらいのようです。
  「明石」という名称は兵庫県の明石に由来しているのは間違いないようなのですが、詳しい事は分かりません。もともと播磨の明石ちぢみを真似たものだという話も聞きますし、西陣で織られていた明石織を導入したという話も聞きます。また、播州明石の人が伝えたからだという話もあります。
  ちぢみというのは強い撚りをかけた糸で織った織物のことで、撚りが干渉しあう為に表面にシボが出来ます。詳しい製法や名称の由来については、明石ちぢみのホームページもあるようですのでそちらをご覧いただいたほうが早いと思います。
  私が山形に戻った約20年前にはまだ明石ちぢみがありました。そのころは7〜8万円だったと思います。その後、織る人がいなくなり絶えてしまったという話を聞きました。そして20万円位で売られていました。しかし、数年前から「明石縮伝統技術保存会」という組織が明石ちぢみを復活して現在は安定的に供給されています。私の店でも扱っております。 価格は13〜15万円くらいの相場だと思います。
  明石ちぢみを着るときの襦袢は麻を勧めています。普段着ですので、よりメンテナンスが楽で涼しく安価な物といえば麻の襦袢に優るものはありません。価格は二万円くらい。洗濯機でも洗えますので。

 ゆうきくん:早速ご丁寧な説明を頂きましてありがとうございます。
  着物一枚、一枚深い歴史があるのですね。それを知っていて身に付けるのと、そうでないのとは大きな違いがあります。ちょっぴり物知りになった気分で、背筋をしゃんとして着なくてはと、今まで寝かせてばかりいたことを反省しております。
  普段着とはしりませんでした。格子織のものはそうかなと思えますが、黒無地のものはどんな時に着たのかしらと思います。母は、私が若い頃に亡くなっておりますので、久しぶりに着物を通して向かい合っている気分です。本当にありがとうございました。

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