72.博多献上の帯の相場を教えてください
 はじめまして、着物の超初心者です。そして、初心者にもかかわらず、高額品を購入してしまい、あわててゆうきさんのHPを見まくっています。
  ゆうさんのHPで気楽にあわせられる帯に博多帯の話がありましたが、相場金額をいくらくらいなのでしょうか?
  私のすんでいる町の呉服屋さんでは(気楽に入れる量販店やデパートです)取り扱ってないのです。また失敗しないためにもお勉強したいと思ってます。
  証紙の色によっても違うのだとは思いますが、どの程度のランクをもっていればよいのでしょうか?よろしくお願いします。

 はじめまして。二日程出張のため返事が遅くなりました。
 まず、博多帯の一般的な見方についてお話します。
  博多では西陣と同じように「博多織工業組合」を組織して、品質の保持をはかっています。博多帯には西陣の証紙と同じように「本場筑前」の証紙が貼ってあります。(添付画像参照)
  この証紙の菱形の博多マークにはいくつかの色があります。昔は相当の色数があったのですが、今一般的に見られるのは「銀色」「緑」「赤紫」の三種類です。それぞれが品質の等級を表しています。
  はっきりとした詳しい規定があるようなのですが、私は次のように聞いています。  
  銀色・・・・不純物を20%取り除いた上質の生糸で織られたもの。  
  緑色・・・・生糸100%で織られたもの  
  赤紫・・・・経糸緯糸ともに絹紡糸で織られたもの。 絹紡糸というのは絹の短繊維を集めて糸にしたものです。
  従って銀色、緑、赤紫の順で品質を表しています。
  八寸の帯では絹紡はほとんど使われないと思います。半幅帯には良く使われます。どちらも「本筑」には変りありませんので、安売りで「本筑」と謳っているのは赤紫が多いと思います。  
  さて、博多帯の相場ですが、献上に限っては我々の仕入値はほとんど変りません。小売値で40,000円から45,000円が相場です。いずれも機械バタです。
  博多は経畝織という緻密な織り方をしますので、手バタの場合、どうしても粗が見えてしまうそうです。今は手バタはほとんどないと思います。あったとすれば上記の3倍以上にはなるでしょう。しかし、上述の理由から手バタの献上にはお目にかかったことはありません。
  昔は手バタの献上があり、機械とは比べ物にならないほど締めやすかったと母が言っていました。
  夏物の紗献上は少し高く私の店では48,000円です。

 ゆうきさん、ありがとうございます。よくわかりました。
  やっぱり思い切って聞いてよかったです。ちなみに地元のお店では、(扱ってはいませんでしたが)18万円といわれました。(機械織です)
  飾ってあるのも18万円、よく耳にする金額です。そんなのを見ているうちに帯って18万円ぐらいするんだぁ・・・と思ってしまっていました。
  ゆうきさんみたいな呉服屋さんが、近くにあればいいのにと思います。お隣の県なので機会があったら、お訪ねさせてくださいね。
 ゆうきくん、こんにちは。 こちらのHPの伝言板に以下のような質問がありました。
  ゆうきくんにお聞きしたほうがいいかと思い、こちらに移しました。 では、よろしく。
  もつすさんの質問です。
  先日、帯屋さんに、博多は音が鳴るからお茶会では嫌われますよ、 おたいこでなく半巾で使ったら、といわれました。 祖母のおさがりの博多で、夏以外は使えると分かり喜んでいたところに言われたので、 袋帯だって呼吸をするとブリブリと音がするのどうして?と思ったのですが、 こちらのHP、ゆうきくんHPで分かりました!格の問題なのですね、 言われた時は紬でしたので問題ないことが分かりました。
  色が合うなあと考えていた小紋にも問題が無いことがわかり、ちょっと安心しました。 お稽古にと考えています。でも、大寄せのお気軽なお茶会に小紋で行く場合は外したほうが良いのでしょうか。 長さも二重太鼓が出来る長さです。名古屋ではないです。 よろしくお願い致します。
 「どのような時に、どのきものを着たらよいのか。」 これはお客様に良く聞かれる質問です。人前できものを着ようとする人には深刻な問題です。
  絣のきもので結婚式に出るわけには行きませんし、訪問着を着てスーパーでお買い物というのはいただけません。きものには決まりがあるからこそ着物なのだと言うことは誰でも知っている事です。
  さて、どのきものを着たらよいのか、誰に聞いたらよいのでしょうか。呉服屋、着付師、その他きものの先生と呼ばれる人、いずれも相談に足る人です。しかし、誰が本当のことを知っているのでしょうか。きものに家元はおりません。バイブルや本草綱目のような絶対的な指南書もありません。
  上述の人たちが違った事を言う事もあります。誰を信じてよいのやら、きものは難しいですね。  
  博多の帯というのは献上のことでしょうか。博多では立派な袋帯も織っていますが、博多献上のことだと思って話をすすめます。
  八寸の博多献上帯は一般にオシャレ帯とされていますので付下げや訪問着にはしないようです。ただし、博多では献上の袋帯を留袖に締めるという話も聞いたことがあります。小紋や紬にも締めます。小紋については種類が多く、付下げと同格に着れる小紋から全くの普段着までありますから考えてあわせてください。
 さて、お茶席です・・・・・。お茶をなさる方からも良く何を着たらよいのかを聞かれます。御質問は 「大寄せのお茶会で小紋に博多献上をして行ってよいか」 という事だと思います。
  「小紋に博多献上」という組合せは構いません。(ただしオシャレな小紋です。)しかし、「大寄せの気軽なお茶会で」と言う事になると私には応えられません。それは次のような理由からです。
  私達呉服屋は「何を着てよいか」という質問には「日本人がきものに対してどういった価値観を持ってきたか。その結果どのようなきものを着てどの帯を合わせるべきか。」という事は応えられます。その為にも勉強しています。お客様が日本のきものを正しく着ていただけるようにと思っています。
  しかし、お茶会となると、・・・・お茶だけではなく芸事一般については流派があり、師弟関係があります。これらは呉服屋がきものの伝統を大切にするのと同じ位重い意味があります。
  お茶会で立てなければならないのは自分の師匠でしょう。お茶会で師匠がダメと言った事は何処までもダメです。私などではなくもっとえらいきものの先生が「お茶会では○○を着るべきだ」と言ったとしてもお茶会では師匠、最終的にはその流派の家元の意向が正しいことになります。
 はっきりとした答えにならなくて申し訳ありません。お茶会で何を着たらよいかは、師匠がおられたら師匠に相談されたらと思います。私は「その組合わせはおかしくはありません」と応えられるのみです。
  しかし、お茶会で見かける着物の中には「?????」と思ってしまう方も見受けられるのですが、私は足を(口を)踏み入れられない世界です。きものの事はお茶とは違った世界で勉強してください。きもののことを充分に知っていればお茶の世界でもどのようにでも対応できるようになるでしょうから。
 詳しい説明を有難うございました。
  昨日お茶会のお客様なに博多献上をなさっている方がおられ、まじまじと見てしまいました。そして今朝、ゆうきくんさんからの詳しい説明を拝見し納得いたしました。どうもありがとうございました。
  組合せとしておかしくない事が解り、持っている限られた中での合わせ方を考えてみます。お茶会の時は社中の先輩方に伺ってみます。
 私が持っているものは、献上でない幾何学模様(二重太鼓の長さ)と無地(織模様も無し一重太鼓の長さ)なのですが、献上柄よりも普段用と考えてよいでしょうか。小紋についても勉強したいと思います。「オシャレな小紋」て?難しいですね。また相談に乗ってください。宜しくお願い致します。

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