74.模様がひとつです.
 こんにちは。何度も読み直しをしてお勉強させていただいております。
  若い時に作ってもらった着物で、色無地と思っていたのが、上前のひざ上の位置に、すずらんが一輪ぽんと染め(染み込んだ感じがしないのですが)有るのが発覚しました。これは小紋の扱いなのでしょうか。
  生地は、よく和菓子にまぶしてある乾いたペリペリしたものな感じの地紋で少々光ります。写実的なすずらんでサイズは手のひらでぎりぎり隠れるかなぐらいです。正座をすると丁度ひざにのる感じです。
  黄緑に近い青磁色で明るい色なのと、すずらんのおかげでちょっと困っております。紋は入っておりません。手持ちの帯の内、素人判断で銀ピカの袋帯が色的に合うのですが、お着物に詳しい方が見て、おや??と思われるのかしら、と思案しています。
  一口にいっしょくたに出来ないと以前のご相談にもありましたのですが、模様がひとつでも小紋の部類に張るのでしょうか。そうすると、後から一つ紋も入れるべきではないのでしょうか。よろしくご教授お願い致します。

 「上前に柄が一つある無地」ということですが、小紋、付下、訪問着、無地、の分類に従えば、付下になります。
  付下と小紋の違いにつきましては、「きもの講座2、きものの格」を参照して下さい。
  付下と小紋の間には形式の上でははっきりと一線を引く事は可能ですが、付下の中でも重いもの軽いものがあります。
  小紋も同じです。「全ての小紋は付下より格下」とは言い切れませんし、「付下なら全て○○の帯が合う」とも言い切れません。  
  お手持ちのきものは作者がどのような意図で創ったのでしょうか。私の店にも同じような商品があります。「花一輪」と銘打っているのですが、上前と下前に花が一輪、そして八掛にちいさな花が一輪染めてあります。裾には暈しがあります。前から見ると上前に花が一輪、後から見ると裾暈しの付下に見えます。紋をつければ結婚式にも出られ、柄が仰々しくないので上品で着時があり重宝だと評判を頂いています。
  そのきものも作者は「小紋よりも格が高く、柄が控えめて゛侘び寂びを感じさせるようなきもの」と思って創ったのだと思います。
  紋を入れるか入れないかは自由です。紋を入れることによってきものの格が上ります。もしも、そういう場に出ることが多く、そういう場で着たいと思っていらっしゃるのでしたら紋を入れたほうが良いでしょう。
  もっとカジュアルに御召しになりたいのでしたら紋は入れない方が良いと思います。式などではなく、格の高い小紋を着てゆくような場で着るのでしたら充分に着られます。
  銀ピカの袋帯ですが、きものは締める帯によって雰囲気や格が変わってきます。その場に合った、それ相応の帯を締められたらと思います。帯ときものの組合せは柔軟に考えてください

 詳しい説明を有難うございました。すずらんだし、まぶしい色だしどうしよう、と思っていたのが、付下であると答えをいただき立場を得たような安心感です。
  きもの講座の「自分のTPOは正しいのかどうかに気を取られるというのはきものを着る本来の姿ではないように思える」という文章に気づかされました。
  こだわりすぎてとアラ捜しになっていたかもしれません。まだまだ気張った場にしかきものを着ていませんが、柔軟に組み合わせを考えることに致します。どうも有り難うございました。

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