『絵羽、絵羽物、絵羽柄 』

  絵羽という概念はきものを語る上で大きな意味を持っている。
  きものは直線裁ち、直線縫製が原則であるが、その縫い目をまたがって柄を創るのが絵羽である。
  絵羽物と呼ばれるきものには留袖、訪問着、付下げがある。これらは全体として一つの柄を構成している。
  絵羽物は広げれば屏風絵のように一つの絵になる。従って縫い目を考慮して染なければならないので、留袖や訪問着は白生地の段階で裁ってきものの形にして(仮絵羽)から染める。
 縫い目をまたがって柄を創る、と言うのは必ずしも染や織柄が縫い目を跨いでいる事を意味しない。柄を飛び飛びに配して全体で一つの絵にする事もあるので、絵羽柄イコール重い柄とは限らない。
グラデーションで絵羽を創ることもある。無地のきものの裾に幾つかの刺繍を散らしただけで立派な絵羽柄となる。

  絵羽の反対の概念は小紋である。小紋は通常繰り返し柄が染められているので、どこを縫い合わせても構わないし、柄に上下もない。 絵羽は小紋に対して格上とされ、晴れのきものに用いられる。

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