『塩瀬 』

 塩瀬は正しくは塩瀬羽二重という生地の名称である。羽二重とは撚りを掛けない糸で織った生地(撚りをかけて織った生地は縮緬)で、胴裏や男性の黒紋付に用いられる。羽二重の中でも塩瀬は太い緯糸を織り込んだ肉厚な生地である。
  しかし、呉服用語では「塩瀬の帯」として良く使われる。 「結城に塩瀬の素描の帯が〜〜〜」というデュークエイセスの唄が示すとおり、塩瀬イコール染帯の印象がある。「塩瀬の帯」を訳して「塩瀬」という場合が多く、「塩瀬」とは帯の名称と思っている人もいるかも知れない。
  織名古屋帯や塩瀬染帯、縮緬の染帯が飾ってあるところで次のような言い方をする。
「そのきものに名古屋帯を合わせるのでしたら塩瀬がいいでしょう。」
  この場合、「塩瀬」は生地を指さずに「塩瀬の染帯」を指して言っている。

無線友禅の塩瀬の染帯

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