『名古屋帯 』

  本来の意味は、胴に巻く部分をあらかじめ半幅に仕立て、太鼓の部分を並幅に仕立てた太鼓帯のことを言う。
  この仕立て方は名古屋の越原春子氏が考案したのでこの名がある。 しかし、現在「名古屋帯」は単衣太鼓の帯を指して言う場合が多く、その言葉の意味の変遷は次の通りだと思う。
  越原氏が着付けの簡便性を考えて仕立てたのは「現在で言う九寸名古屋帯」である。
  九寸名古屋帯は垂れの方は折り返して仕立てるが、胴の部分は裏を張っただけの仕立てである。 半分に折って仕立ては容易い。
  もしも、袋帯であったら胴の部分を半分に折って仕立てるのは困難である。従って名古屋帯に仕立てられるのは「現在で言う九寸名古屋帯」である。 それが次第に意味が変化して「名古屋帯」は仕立ての形式ではなく八寸帯を含めて単衣太鼓の帯を指すようになったのだろう。
  名古屋帯の仕立て方は、「名古屋仕立て」「開き仕立て」「松葉仕立て」などがあるが、「名古屋仕立て」(閉じ仕立てという場合もある)は文字通り本来の名古屋帯であるが、「開き仕立て」「松葉仕立て」も含めて仕立て方に関係なく単衣太鼓の帯を「名古屋帯」と称しているのが現実である。
  尚、袋帯の長さを単衣太鼓の長さにしたものは「京袋帯」と称して「名古屋帯」とは呼ばない様である。

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