『六通、全通 』

 全通とは、総柄の帯を指して言っている。
 袋帯であれ名古屋帯であれ、柄は太鼓柄と総柄に大別される。

 太鼓柄は太鼓にあたる部分と胴の部分に柄がある。太鼓の柄は垂れから約3尺5寸、胴の柄はさらに約2尺5寸の所に計算して柄を付けてある。他の部分は無地の場合が多い。
 これに対して帯を締めた時、垂れから太鼓まで、また胴の脇の部分まで柄で埋め尽くされている帯を一般に太鼓柄に対して総柄と呼んでいる。
 しかし、正確には総柄はもう少し狭い意味で使われている。
 帯は胴に二重に巻くために、締めた時に内側は見えない。その見えない部分の柄を省いた帯がある。帯を広げると 2尺5寸から3尺程度柄が抜けている。締めた時には柄があるのか抜けているのかは割らない。このような帯は六通と呼ばれている。柄が6尺程度付けてあるので六通、という説と、6割程度
の柄があるので六通という説があるらしいが真偽の程は分らない。

 それに対して全通と言うのは、手から垂れ先まで全て柄があるものを言う。従って全通と六通は本来違うものだけれども、締めた状態で全て柄が見えるものを全通と言う場合もある。決して正しい使い方とは思わないが、私もついそう言ってしまう。

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