明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題

Ⅳ ⅳ 寸法について(その2)

ゆうきくんの言いたい放題

反物生地は、縦に使われる。長い反物は垂直に使われている。そして、巾は水平方向に使われる。垂直方向というのは、身丈、袖丈。水平方向というのは身幅、袖巾、肩幅、裄丈である。

12~13mという限られた反物生地で仕立てられるかどうかは、その寸法が生地の範囲で仕立てられるかどうかに掛かっている。

もしも2メートルを超える身長の女性がいたとしたら、一反では長さが足りなくて仕立てられないだろう。本当にそんな寸法が必要であれば、四丈物(通常の3丈の反物以外に4丈の反物も織られている。主に振袖や共八掛の色無地用)かあるいは二反使えば仕立てられる。

しかし、そんなに背の高い人はまずいない。170cmを越える女性はいるが、その程度であれば通常の三丈物の反物で事足りる。180cmを越えるバレーボール選手のような人であれば少々足りないかもしれないが、それは例外として対処することだろうと思う。

女性の身長が昔に比べて伸びたとは言え、旧来の反物の長さで対応できる範囲だと言えるので反物の長さについてはそれほど問題ではない。

さて、次に水平方向すなわち身幅、袖巾、肩幅、裄丈であるが、これが問題である。

それぞれの寸法が反物巾より広ければ仕立てられないことになる。実際は縫い代があるので反物巾より寸法が狭くなければ仕立てられない。

身巾はまず問題はない。ギネスブックに名を連ねるような肥えた方は別として、通常の肥えている方で身幅(前巾、後幅)が35cm(9寸2分)を超えるような人はいない。私の経験でも身幅が採れなかった人は記憶にない。問題は、袖巾、肩幅、裄の寸法である。

「裄丈=肩幅+袖巾」という計算式はご存知だろうと思う。1尺巾の反物を使えば、肩幅、袖巾を最大に採れば裄丈は2尺。縫い代を引いても1尺9寸程度はできる勘定になる。1尺9寸と言えば72cm。それ以上の裄丈は仕立てができない。

巾が足りなくて裄がとれない時にはどうするのか。その対策は昔からある。それは袖に剝ぎを入れる。お相撲さんのように非常に体格が良い人の場合は袖に剝ぎをいれて裄丈を確保している。

しかしながら、背が高く裄丈の長い女性、背が高くなくても長い裄丈を要求された場合、袖に剝ぎを入れればよいのかと言えば、そのような単純な問題ではないところに私の不安がある。非常に複雑な問題なので、以下詳しく説明する。

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