全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題
Ⅳ ⅵ TPOで着物は崩壊しないか(その3)
ゆうきくんの言いたい放題
そういった人たちはいくつかのパターンに分けられます。
一番目は真実を知らずに自分の知識が絶対だと思っている人。つまり嘘を真実と思っている人です。この人たちは問題になりません。嘘を信じている訳ですから。
二番目は、自分が教え込まれたことが唯一正しいと思っている人たちです。教えられた事が真実を含んでいるにしても、それとは異にするしきたりがあるということを認めようとしないのです。日本中のしきたりは一様に画一的なものではありません。地方により、地域により、また家によってしきたりは違うものなのですが、どうもそれを認めたがらないようです。
そのような人同士の議論はかみ合うわけがありません。しきたりの違う人たちが議論することは、日本人と西洋人が形式的な礼儀について議論するようなものです。
日本では畳の上では立って話をするのは失礼とされています。西洋では目上の人の前では立つのが礼儀です。どちらが正しいのかを議論することに意味があるのでしょうか。
きもののTPO、きものの礼儀はもっと深いところにあります。何を着るかと言った形式的なものは、その末端の結果にすぎません。きものを着るという本質的な意味を議論するのであれば良いのですが、正解のない議論をしても始まりません。それが議論で終われば良いのですが、他人を卑下する材料に使われてはこれからきものを着ようとする人達は着物から離れてゆく要因となるでしょう。
「あなた、着物はそんな着方をしてはいけませんよ。」
「その着物にその帯は合いませんよ。」
「あの人、着物の事よく知らないのね。」
そんな議論はもうやめにしませんか。そんな議論が着物の文化を破壊していることに気が付いてもらえませんか。