明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題

ⅴ-ⅲ 良いきものの証(その14)

ゆうきくんの言いたい放題

⑧ 良いきものを選ぶには

「良いきものの証」と題して、きものを選ぶ際の指標になるであろうことについて書いてきた。価格、箱入れ、作家物、生地、証紙等々。いずれもきものを購入する場合に指標となるもので、それに頼ってきものを選んだり、小売屋さんにそのきものの価値を示すものとして説明されたりするかもしれない。

それぞれの文章を読んで「それらは当てにならない。」「それらは無視した方が良い。」と思われた方もいるかもしれない。

しかし、いずれもれっきとしたきものの価値を表す指標であることは間違いない。問題は、それらの正しい意味、正しい知識を持って評価できるか否かである。「きものの価格は、その相場はどのくらいなのか。」「その作家はどのくらい認められている作家なのか。」「証紙の意味するところは何なのか。何を保証している証紙なのか。」それらの正しい知識を持って評価しなければかえって誤った判断を下してしまう場合もある。

そして、そこには落とし穴もあることを忘れてはならない。きものに対する消費者の浅識に付け込んで、売り口上としてありもしない価値を喧伝する材料に取り上げられることもしばしばである。

良いきものを選ぶには、きものに対する知識を深めることは言うまでもない。しかし、実際に消費者が必要な知識を身に着けるのはほとんど至難の業である。我々業界の人間は毎日きものと向き合いきものの知識を吸収している。消費者が求めるような知識についてはまずまず身に着けているつもりだが、それでもまだまだ知らないことだらけである。

まじめな小売店であれば、消費者の疑問には答えられるだろう。もしも、きものを買う際の売り口上に疑問があれば、とことん質問してみればよい。「作家物」を売りに勧められたら、「その作家はどういう作家なのか。」。証紙を盾に勧められたら「その証紙は何を保証するものなのか」「どういう機関で認定しているものなのか」十分に納得できるまで聞くことが大切である。

それと同時に信用ある小売店で買うことである。きものについて正しく教えてくれる小売店、価格についても十分に説明できるような店、そして信頼できる店である。

きものを買う価値は、きものそのものにある。値引き、サービス、接待、招待、過度な勧誘等は雑音でしかない。時には雑音が真の価値を曇らせてしまうこともある。あらゆる雑音を消し去ってきものと向き合うことが大切である。できれば雑音のない小売店できものと向き合いことである。

きものに限らず物を買うのには自己責任が伴う。詐欺や不良品は論外だが、自分が判断して商品を買う場合、買った商品には自分で責任を取らなければならない。その意味で、きものを買う場合はあらゆる観点から検討したうえで、最終的に価格と商品を比べて、「その価格で買うことが自分にとって価値があるかどうか。」の判断が必要と思う。

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