明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題

Ⅶ.きものつれづれ 45.(呉服の)商売とは?(その4)

ゆうきくんの言いたい放題

 老舗企業が何故長く商売を続けられたのかと言えば、使い古された言葉だけれども、「信用」の一言だろう。

 商売は、お客様あってはじめて成り立つ。お客様に支持されなければ商売はできない。そして、支持してくれるお客様が離れず支持し続けてもらう事が必要である。一時お客様に良い顔をして商売をし、それを裏切って今度は他のお客様に良い顔をするような商売は長く続けることはできない。

 最初から倒産、破産を目論んでいるわけではないかもしれないが、急激に商売を拡大し、儲けるだけ儲けて破産してしまうケースも散見される。呉服業界で言えば、「友禅の館」「たけうち」「愛染蔵」「はれのひ」など、冷静な目で見れば、そんな商売いつまで続けられるのかと思って見ていると突然破綻してしまう。そのような商売は呉服業界では今でも見受けられる。

 商売を拡大しようとすれば無理が重なり、お客様をないがしろにしてしまうのだろう。縮小する呉服業界において急成長しようとすれば、他の業界よりも無理が拡大してしまう。呉服業界で商売を続けようとすれば、自ずから商売を拡大しようとしなければ自然に萎んでしまう。今の呉服業界の問題であり、我々小売屋にとっては頭の痛い問題である。

 今、流通の世界ではインターネットによる販売、SNSによる情報の提供が急速に進んでいる。インターネットで商売をする呉服屋も多くみられる。

 私も2000年よりインターネットによる販売や情報提供を行ってきた。最初は、それ程競争相手も多くはなかったが、最近は、楽天等のインターネットモールにも数多くの着物や帯が出品されている。

 急速に発達したインターネットの世界。WEB上での商品販売は急速に伸びている。多くの業種、業界、企業がそれに乗って販売を増やそうとしている。しかし、皆が揃って目指す商売には激しい競争が伴い、リスクも大きくなる。

 先日、楽天市場がアマゾンに対抗して送料無料の方針を打ち出した。公正取引法に抵触すると新聞テレビでは物議を醸したが、少額品を扱う出店業者にとっては死活問題である。数を頼みに稼いでいた儲けを掬い取られる思いだっただろう。

 インターネットの商売は急成長している分、競争も激しくリスクも大きくなっている。我々零細業者は次第に付け入るスキが無くなってきている。私のHPでも商品を売ることは次第に困難になってきている。

 それでも、私の店の商売に於けるインターネットの活用は別の道が開けてきている。

 私の店のホームページ(今ご覧のHP)は毎日100人以上の人にご覧いただいている。グーグルなどの検索で訪問される方も毎日50人を超えている。開設して20年を経過しているので、延べ数十万人の方にご覧いただいているはずである。

 それだけ訪問者がいれば、販売に繋がりそうだけれども中々そうは行かない。大方は、お客様の問題ではなく私の対応の悪さなのだけれども。しかし、WEB上では注文の無いHPが、最近私の店の商売にじわじわと影響を与えてきている。

つづく

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