明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題

Ⅶ.きものつれづれ 45.(呉服の)商売とは?(その6)

ゆうきくんの言いたい放題

コロナウイルス騒動の為、中断していました「45.(呉服の)商売とは?(その5)」の続きです。

 先日、遠方よりわざわざ来店してくれてお客様が居られた。事前に電話を頂き来店してくれたのだが、目的は着物の仕立替だった。

 仕立替やしみ抜きなどは、時々遠方から注文を頂戴する。メールで情報を交換したうえで着物を送って来る。

 送って頂いた着物を見て、加工の方法や可否を判断して見積もりが合えば加工する、と言ったのが普通である。わざわざご来店頂かなくても間違いなく加工して送らせてもらっている。

 しかし、そのお客様は来店なさると言う。山形が実家であるとか、仕事のついでと言う事でもないらしい。そして、来店して下さった。

 聞けば、山形は初めてだと言う。わざわざ私の店を、その為に訪問していただいたのだ。私は、本当に嬉しかった。嬉しさを通り越して申し訳なさを感じていた。それと同時に、「当社を信じてお出でいただいたお客様を決して裏切ることをしてはいけない。」そう思う気持ちは、自分が行ってきた商いの方向が正しかったと思う一方、責任の重さを痛感させられた。

 このような商売は、つい30年前までは考えられなかった。インターネットと言う環境が商いの可能性を大きく変えた。それ以前も流通交通の発達で、随分日本が狭く(便利に)なったと思っていたが、インターネットのお陰でそれが更に一気に縮んでしまった。お客様に遠い近いの壁は存在しなくなった。

 このような環境の中で、呉服の商売は益々難しくなっていくかもしれない。しかし、店の信用を守る事、より多くの人達に自店の存在をアピールする事によって、私の店を見てくれる人、信用してくれる人が一人一人増えて言ってくれれば良いと思う。

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