全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題
Ⅶ-42 きものは自由?
しばらくお休みさせていただきました「ゆうきくんの言いたい放題」再開いたしします。
HP新しくなりましたがいかがでしょうか。1000ページを超えるHPですので未だ完全には引越が終わっていませんが、益々充実させてゆく所存ですのでよろしくお願い致します。
最初に「きもの春秋 1.難解なきもの用語」書いてから25年が過ぎました。ページの内容によっては、話題が古くなったものもありますが、公開の年月日と照らし合わせてお読みいただければと思います。きものの事に付きましては、きものの長い伝統に比べれば変わらないかと思います。
今後ともよろしくお願い致します。ご意見などございましたらお聞かせいただければ幸いです。
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店にお出でになったお客様が次の様な事を話されていた。
「着物のチェーン店に行ったときに着物を勧められました。着物と帯を合わせてくれたのですが、本当にその組み合わせで良いのかと思ったんです。すると店の人は「着物は自由なんです。どんな風にコーディネイトしても良いんです」と説明してくれました。本当にそうなのでしょうか。」
その方は、それまで余り着物を着たことがなく、着物の事を良く知らなかった。それでも、チグハグ?なコーディネイトに疑問を持ったようだった。
着物のしきたり、TPOについては一般に、とても厳しく、事細かに決められている様に言われている。季節によるTPO、どの場面ではどの着物を着るのか。また、着物と帯の組み合わせなど、着物初心者にとっては辟易するほど着物のしきたり、決まりは厳しいと思われている。
しかし、「着物は自由です」と言う説明を聞いて驚かない人はいないだろう。果たして「着物は自由」なのだろうか。
巷の着物姿を観察すれば、「着物を自由に着る」人達は結構いる。
浴衣に伊達襟を付ける。浴衣帯に帯締めを締める。・・・これらの昔は考えられなかった着方は、着物のメーカーが先導しているふしがある。また、男性が赤い半襟を掛ける。女性が男性の羽織を着る。普段に紋付を着る、喪服を着る等等。これらは、それぞれが個性的なファッションをアピールしていると言う事なのだろうか。
厳格な着物のしきたりとは正反対の着物の着方が巷にあふれているのも事実である。
その着物のチェーン店の販売員は、その後者を擁護する動きと見て良いのだろうか。伝統に則しない着物のしきたりを堂々と店頭で奨励していると見て良いのだろうか。
実は、そうでもないように思えるのだが、この事をじっくりと考えて見たいと思う。
つづく