全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題
Ⅶ-56 コロナ一年、アフターコロナは?
新型コロナ騒動が始まって一年が経過した。正確に言えば、中国武漢で新型コロナウイルスが発見されたのは2019年末。日本で最初に見つかったのは2020年の1月16日。その後、横浜でダイヤモンド・プリンセス号の乗客に感染者が出て以来、全国に広がってきた。従って、日本にコロナが入って来て一年半経っている。
しかし、山形でこの騒動を肌に感じたのは3月。その後瞬く間にその影響が広がり、商売への影響は4月5月が最悪だった。全く店の商品が売れずにマスクを作って売ってしのいでいた。そういう意味では、私の中ではコロナ騒動が一年過ぎたと言う認識である。
昔スペイン風邪が流行り、世界中が震撼したと聞いているが実感がなく、現代日本人にとって初めての経験であり動揺は激しかった。
振り返ってみれば、一年前の感染者数は今と比べれば少なかった。ようやく峠を越えた第四波では1月のピーク時には70,000人を超えていたが、昨年の第一波のピークは、10,000人を越えていなかった。
昨年の4月から国立博物館で特別展「きもの」が開催される予定であった。コロナの為に延期され、6月30日からの開催となった。実は、私は女房と見に行くのを楽しみにしていた。
しかし、6月末から再び第二波が訪れ上京するのを断念した。今思えば、その時の感染者数は全国で5,000人にも満たず、見に行けばよかったと思っているが、その時は本当に恐ろしかった。
国民全員コロナが恐ろしかったのだろう。人が街から消え、店の売上は50%を下回る月が続いた。「このまま行けば・・・・」と考えるのも恐ろしく、10月頃には資金が底を着いてしまうのではないかと不安になっていた。
しかし一年経った今、商売を続けているし、割合平安に過ごしている。此の一年で色々な事に気が付かされた。
経営の神様と言われる松下幸之助氏の言葉に「不況またよし」と言うのがある。企業にとって嫌悪すべき不況も「またよし」と言うのである。
「コロナまたよし」とはとても言えない。コロナは一日も早く終息してもらわなくてはならない。「不況またよし」とはどんな意味なのか考えて見ると、自分の会社が窮地に陥った時、それをバネとして会社を発展させることだろうと思う。
その意味では、今回のコロナ騒動で、自分の会社の弱点、矛盾がよく分かったように思う。これまで「当然」と思っていたことがそうではなく、「しなければならない」と思っていたことが、実はそうでもなかった、と言う風な気づきが沢山あった。
つづく