明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題

Ⅶ-56 コロナ一年、アフターコロナは?(その5)

ゆうきくんの言いたい放題

 この度のコロナ過のお陰で(と言うのもおかしいけれども)、自分の会社を違った方向から見る事ができた。そして、何とか商売を続けている。続けていると言っても、売上が減少する中、仕入れを抑え在庫で商売し、売掛を回収しながら資金繰りをしている。

 我々の商売は、現金の授受にタイムラグがある。飲食店の場合は、現金仕入れ現金売りが当たり前で、いずれかがストップすると資金繰りは急速に悪化する。その点、我々の商売は、死刑宣告を後に延ばされているようなものかもしれない。

 このままコロナ禍が続けば、早々に私の店も苦しくなり窮地に立たされる。そして、コロナ禍が明けても、飲食店はたちまちに息を吹き返すかもしれないが、私の店が立ち直るには相当時間が掛かるかもしれない。

 来店客が戻り、商品が売れるようになると商品の仕入れをしなければならない。既に少なくなっている在庫を基に戻すには相当の仕入れをしなければならない。仕入れた商品は直ぐに現金ができる訳ではないので、資金繰りを圧迫する。着物も売れるようになっても、仕立てるのに時間が掛かる為に、逆のタイムラグが生じる。着物は売れても現金が入らない空白期間ができる。

 それでも何とか早くコロナ禍が治まって欲しい。一体いつまでこの状態が続くのだろうか。

 今、オリンピックを前に第五波が襲ってきている。ワクチン接種が進み、死亡者や重症患者が減少しているとはいえ、感染者の数は鰻登りである。

 6月末頃には、東北や山陰、四国や九州の一部ではコロナが治まったかに見えた。しかし、ここに来て優等生とも言える秋田でも49人、鳥取県では99人、山形でも49人の感染者がいる。少し油断をすればたちまち感染が広がるのがコロナウイルスらしい。

 そうは言っても、コロナ禍は退散してもらわねばならない。今の処唯一の希望はワクチンである。私も先日2回目のワクチン接種を受けた。2回ワクチンを打ったからと言って必ずしもコロナに掛からないそうだけれども、一つの安心材料ではある。

 果たして8割9割の国民がワクチンを接種すれば、集団免疫とやらでコロナは退散するのか。元の生活に戻れるのだろうか。私は医者でも感染学者でもないので何の結論も意見も言えないけれども、唯々コロナが退散するのを願っている。

 さて、コロナが退散したとして、その後の世の中はどうなっているのだろうか。所謂「アフターコロナ」である。元の様に経済活動その他が、全く元に戻るのだろうか。それは甚だ疑問である。

 コロナ禍の現状について、今迄私の店の側から書いてきた。しかし、視点を180度転換してお客様、消費者、市民の立場に立って考えて見よう。

                                        つづく

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