全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題
Ⅶ-72 コロナ、振袖、七五三(その2)
ゆうきくんの言いたい放題
七五三の行事は昔から行われてきた。子供の成長を願って、女児は三歳と七歳で、男児は五歳で神社を詣でる。
私も五歳で神社に詣でた記憶がかすかにある。「かすかに」と言うのはお恥ずかしい話だけれども、どんな着物を着たのかは覚えていない。神社に行って「千歳飴」を貰った事をかすかに覚えている。今は子供たちが飴など何時でも食べられるが、当時は「千歳飴」は子供にとってこの上ないお菓子だった。長い袋に入った千歳飴を地面を引きずるように歩いたのを覚えている。
そして、私の息子達も七五三で神社に連れて行った。羽織袴を着せた男の子供は、嫌がって転がり周っていた。
それから二十年経っているが、七五三詣では続いている。
振袖も同じである。振袖は未婚の若い女性の着物である。成人式の着物として捉えられているが、現在成人式は戦後、昭和二十年代に始められたもので、歴史はそう古くはない。しかし振袖は昔から若い女性に着られている。
振袖は若い女性の象徴として、「ここにこんなに美しい未婚の女性がいますよ」とアピールする為のものだとも言われている。今ほど広域的な人の交流が無かった時代には必要だったのだろう。
七五三、振袖、どちらも我が子の健やかな成長、幸せな人生を願う親心が反映されている。日本の良き伝統として日本人の心に沁みついている。そう言った気持ちが七五三や振袖の需要に繋がっている。
着物離れ、生活の西洋化によって日本の文化が侵食されている様にも思われるが、まだまだ日本の心は日本人に宿っている。
着物の需要が減少するのは時代の流れで仕方がない面もあるが、七五三や振袖、その他日本の心を後世に伝えて欲しい。