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全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題

Ⅶ-98 きものの知識「注染と捺染」

ゆうきくんの言いたい放題

 着物の染色法に、「注染」と「捺染」と呼ばれるものがあります。どちらも主に浴衣や手拭い等綿生地に施されます。

「注染」は型を用いて染める一種の型染です。型友禅や江戸小紋も型染ですが、それらは型を用いて染料を刷り込みます。しかし注染は型を用いて糊を刷り込みます。糊は防染糊で、糊を置いた所は染まらない仕組みです。

 注染の型は、通常90~100cm位です。この長さは、綿反一反の1/10になります。手拭いの長さを測ってみてください。通常90数センチだと思います。手拭は一反から10本取りますのでこの長さになりますが、これを「十本取り」と言っています。

 踊りで使用する手拭はもっと長いので一反から9本取る「九本取り」、8本取る「八本取り」で染める事もありますが、市販の手拭はほとんどが「十本取り」です。

 染の時には型を用いて糊を刷り込みます。一型刷り終えると綿反を折り返して重ねて型を当てて糊を入れます。これを何度も繰り返して重ねて行きます。浴衣や手拭いの場合、通常一疋単位で染められます。一疋と言うのは二反の事で、十本取りの手拭を染めの時には一疋で20本取れますので、型で糊を入れる作業は20回しなければなりません。

 今度は、糊を入れて20枚に折り重ねられた生地の上から染料を注ぎます。(「染料」を「注ぐ」と言うのが「注染」の語源です。)染料は下まで浸み込み染められますが、刷り込まれた糊の部分は染まりません。乾かして糊を流せば完成です。

 現在は、染料が満遍なく浸み込んで染まるように、下からバキュームで染料を吸引して染めるようです。また、多色の場合は、太い糊の土手を造ってその中に染料を注ぎ込みますが、基本的な染の方法は上記の通りです。

 手拭いの場合は、一枚ずつ裁ちますので創った型通りの柄が出来ますが、浴衣の場合、型の長さの繰り返し柄になります。生地を折り返して染めますので、折り返しの部分が僅かに染まらない場合があります。その時は、うっすらと線が入ってしまいますが、これを「泣き」と言います。

 はっきりとした「泣き」が入ってしまうと、それは難物として撥ねられますが、それ程目立たない物は製品として流されるようです。それは目を凝らして見なければ分からない様な「泣き」なのですが、それが難物だと見る人もいます。

 この「泣き」は、手造りである「注染」の証とも言えるのですが、現代のコンピューターの発達によってか、手造りの僅かなゆらぎを難物と捉える風潮に職人さんたちは苦労しているようです。

 「注染」は明治時代にその技術が確立されたようですが、染料を浸透させるために裏も表も同じに染まります。折り返して染めますので、柄は右左交互に染まりますが、どちらも表面として使えます。浴衣や手拭いの伝統的な染色法として今も多用されています。

つづく

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