全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題
Ⅶ-93 業界の次の世代を担う人達(その3)
ゆうきくんの言いたい放題
今呉服業界の将来を担おうと一生懸命に働いている若い人達が、呉服の知識を吸収しようとしてもどれだけ吸収できるのだろうか。
私の店でも昔はフルスペックと言える程商品があった。今よりも売り上げがあったので在庫の数も二倍はあった。大島と言えば大島、結城といえば結城。「加賀友禅を見せてください」と言われれば何枚でもお目に掛ける事ができた。
新人が、石持、唐織、ロウケツ染、羅、綸子、絞り、一越縮緬、佐賀錦、丈二、御召、紹巴、等々星の数程もある呉服用語を知る為に現物を見ようとしても今は見られなくなってしまった。
物を見ずして知識を得ようとしてもなかなかできることではない。問屋や小売屋の新人、若い人達は呉服の知識が十分に得られるのだろうか。
業界の高齢化(生産現場から販売員まで)と商品の減少、産品の消滅など業界は先細りの様にも見えるが、是非業界の次世代を担う人達に頑張って頂きたい。
私も高齢となりこれからは呉服業界に余り役立てそうにないけれども、次世代に受け継がせたい事は伝えたい。
そういう訳で、次回から私が40年間に学んだことを書いて行きたいと思う。少しでも業界の若い人達や着物を愛する人達の参考になれば幸いである。