明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題

Ⅶ.きものつれづれ 45.(呉服の)商売とは?(その5)

ゆうきくんの言いたい放題

 いつの頃からか、HPを見た県外のお客様が店を訪問して下さるようになった。「きもの春秋終論Ⅵ-31.日本のきものを支える底力」で書いたように、わざわざ京都からお出でいただいた事もある。他にも富山や名古屋、関東圏などから来店されている。その数はそう多くはないが、確実に増えている。

 わざわざ来店されるお客様とは別に、
「あら、ここがあの結城屋さんだわ。」
と言って入ってこられるお客様もいらっしゃる。

 遠路はるばる来店されたからと言って、皆が買い物をして行くわけではない。話をしにいらっしゃる方、商品と価格を見て行かれるだけの方も多い。

 また、店にはお出でにならないけれども、メールや電話で注文や相談を寄せられるお客様も多くいらっしゃる。具体的に探している商品の問い合わせや仕立て、直し、染抜きなどの注文。着物を着る上で分からない事の相談である。

 これらのお客様は、私にとってとても嬉しい、また大切なお客様である。大きな売り上げを創ってくれるお客様ではなくても、皆間違いなく私の店を見てくれているお客様である。

 最近(と言っても、ここ数十年)の呉服屋の商売は、10人の顧客名簿を獲得すれば、10人に高額な着物を売る、と言うのが多い。これも呉服業界が縮小している故の現象だろうけれども、果たしてこのような商売がいつまで続くのだろうか。

 顧客を獲得するには、まず宣伝が必要である。自分の店を世に知らしめることである。店に看板を出したり、DMを送ったり、新聞チラシを折り込んだり、と言った古典的な宣伝方法もあるが地域が限定される。商圏が狭かった昔はそれで良かったかもしれないが、通信、流通、運輸が発達した今日、山形のような片田舎であっても、全国が商圏であるとも言える。全国に宣伝する方法として専門誌の広告があるけれど、非常に高価であり容量も少ない。

 そういう意味でインターネットは実に安価に自分の店を全国にアピールできる手段である。新聞チラシを10万枚近辺に折り込むよりも遥かに安価に広範囲に伝える事ができる。そして効率よく読者に伝わる。

 私は、商売を長く続けるには多くのお客様が必要だと考えている。お客様と言うのは、直接着物を買ってもらう人だけではなく、私の店を見てくれている方々である。インターネット、私のHPを通じて10万人の方が私の店を見てくれているとすれば、私がHPを立ち上げた目的は100%達成されたと言える。

 その10万人の内、実際に私の店で買い物をしたり、着物の加工、メンテナンスの注文をくださる方は年間10人くらいかもしれない。お客様と言うのは、毎日買い物をしてくださる方を言うのではない。月に一度お出で下さる方もいれば年に一回、また十年に一度と言う方もいらっしゃる。人によって私の店を必要としてくれる度合いは違う。

 毎日着物を着ていらっしゃる方は、そんなに高額な買い物はして下さらないかもしれないが、普段履きの草履や足袋をときどき買いに来て下さる。

 自分が嫁入りの時着物を揃えてくださった方が、それ以来初めて娘の嫁入りの着物を買いに来る、と言ったケースも多い。多かれ少なかれ着物を必要とする時に私の店に訪れてくださる方がお客様である。

 インターネットを通して、「着物を買う時には」「仕立て替えする時には」「しみ抜きをしてもらう時には」私の店を候補にしていただければ良いのである。

つづく

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