明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題

Ⅶ-65 きものと帯の合わせ方

ゆうきくんの言いたい放題

 また、再び「きものと帯の合わせ方」と言う着物の基本的な話題に戻ります。

 先日、商工会議所主催のイベントに参加しました。商店街の専門店が、それぞれの専門の講座を開くと言うイベントでした。お茶屋さんは「お茶の出し方」、ペット屋さんは「ペットの飼い方」、酒屋さんは「ワインの利き酒」と言うように専門店ならではの知識を消費者に伝えようと言うイベントです。

 私の店も商工会議所との付き合いも有って参加しましたが、私は余り乗り気ではありませんでした。乗り気でないと言うよりも、果たして受講者など集まるのかどうか疑問だったのです。

 というのは、今呉服業界はある種の偏見に晒されています。偏見ではなくほぼ事実なのですが、「呉服屋に行ったら只では帰れない」と言う意識が消費者に広がっているからです。
「呉服屋の講座に行けば、着物を買わせられるのではないか。」
「住所、電話番号を聞かれて、その後しつこく展示会への案内が来るのではないか。」
と言った不安が消費者の間には満ち満ちているからです。

 元々うちの店では、着物が必要でやってこられるお客様だけに商売をしています。むりやり着物を売りつけたりしませんが、
「うちの店では無理やり着物を売りつけたりしませんよ。」
等と宣伝するつもりもありません。やってこられるお客様に最善の商品を提供し、信用していただけるお客様に販売するだけですから、かえって消費者に誤解を受けるようなイベントには消極的でした。

 しかし、講座の定員がどの店も3~5人程度と言うので、そのくらいであれば宣伝せずに本当に必要としてくれる方が集まるのではないかとイベントに参加しました。

 さて、受付が始まると早速一人の消費者より申し込みの電話を頂戴しました。お名前、住所、連絡先をお聞きしましたが、その応答には、やはり何か躊躇するような気配が感じられました。私の店は初めての方でしたので無理もないかもしれませんが、少し引いたような応答でした。

 その後、応募者はなく一人だけかと思いましたが、数日してもう一人の応募がありました。同じように、お名前、住所、連絡先をお聞きしましたが、
「住所は言わなくてはなりませんか。」
と言う答えでした。やはり呉服屋を警戒しているように思えましたが、
「それでは住所は結構です。」
と言って受け付けました。その後、応募はなく、
「やはり、呉服屋が善意で講座を開いても消費者は、なびいてくれない。呉服業界は余程信用がないな。」
と思っていましたが、直前になって親子で参加したいと言う方がいらしたので、結局4人での講座となりました。

 講座の内容は、「帯に付いて」。当ホームページで公開している「きもの講座1.帯の話」に書いてあるような話をしました。
時間は一時間。初めてお会いする受講者ですので、「きものについてどの位知識があるのか」、「何を知りたがっているのか」が分からずに、話に対する反応を見ながら話しました。

 講座が終わり感想を聞くと、一様に満足頂いたようです。
「帯の事がよく分かりました。」
と言うので、
「もし次回も講座を開くとすると、どんなテーマが良いですか。」
と聞くと、口を揃えて「帯の合わせ方」でした。きものを着初めの方、初心者にとって帯と着物の合わせ方は難問のようです。

 と言う訳で、「きものと帯の合わせ方」について書いてみます。

                                             つづく

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