全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題
Ⅶ-65 きものと帯の合わせ方(その2)
きものと帯の合わせ方に迷っている方は多い。
「このきものにこの帯を締めても良いのかしら。」
「この帯は、このきものに合っているかしら。」
と言うように。
きものを初めて着られる方や、初心者の方にとってはとても難しい、と言うよりも気になる問題である。きものを着て行ったところ、
「ここでは、そんな着物を着てはいけませんよ。」
とか、
「その帯は、その着物に締める物ではありませんよ。」
と言う見知らぬおばさんに会う事を恐れているのかもしれない。
確かに、きものと帯の合わせ方は決して簡単とは言えない。きものの成立ち、歴史を考えれば、それは頷ける。きものは日本の衣装であり、昔から老若男女が、晴の場から日常の普段着として皆が着て来た。
洋服にスーツやドレスからTシャツ、Gパンがあるように様々な着物があり、着物特有のきものと帯の合わせ方もまた様々である。そしてそれは難しい事でもある。
しかし、難しいからと言って投げ出したりして頂きたくない。難しいきものと帯の合わせ方ではあるけれども、そこには日本の伝統や文化、また風土に則した決まりがあり、理解すればそれ程難しい物ではない。きものが日常から離れてしまった故に現代の日本人が難しいと感じるのかもしれない。
さて、「きものと帯の合わせ方」には二つの範疇がある。まずこの事を理解して頂きたい。一つには、
「この色の着物にはどんな色の帯を合わせたらよいのか。」
または、
「この帯は、どんな柄の着物に合うのだろう。」
と言った色や柄に対する迷いである。
洋服でも、スーツとYシャツとネクタイの組み合わせ。スカートとブラウス、靴やベルトの色まで、組み合わせを考えて着ている。いわゆるコーディネートと言うのだろうか。
洋服の場合は、色柄のみではなく形もコーディネイトの対象となる。スカートの丈、襟の形、靴の形など。着物は基本的に形が同じなので、迷うのは色と柄と考えてもよさそうである。
洋服は、周囲で着ている人を見て、あるいは雑誌で見て自分でも学んで選べる。時にはブティックでアドバイスをしてもらい、その時々の最新のコーディネイトを指南してもらえる。
それと同じように、帯の合わせ方を相談される場合がある。
「この着物には何色の帯を合わせたら良いのですか。」
「訪問着は大きな花柄なのですが、帯はどんな柄を合わせたらよいのですか。」
と言うように。時にはそう言った相談を電話で頂戴する事がある。そんな場合は、
「実際に着物を見ないと分かりませんので。」
とお茶を濁してしまう。
つづく