明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題

Ⅱ-ⅴ 消費者セール(その4)

ゆうきくんの言いたい放題

消費者セールであっても、自分のお客様は自分の責任で接客しなくてはならない。心ある小売屋さんはそうすると思う。

しかし、そうではない小売屋も増えてきている。

お客様を消費者セールに連れて来さえすれば着物が売れる。着物の知識が無い呉服屋でもお客様を会場に連れてくれば問屋、マネキンさんが着物を売ってくれる。そして、その売り上げは自社の売り上げとなる。そういったシステムができあがっている。

そのシステムに乗ろうとすれば、小売屋が注力すべきは、いかにしてお客様の足を消費者セールに向かわせるかにかかってくる。

商売のやり方として決して違法ではないし、効率よく売り上げを創り、利益を上げる方法としては重宝である。

しかし、呉服の商売果たしてそれで良いのだろうか。

今、消費者は呉服の知識がなくなっている。色々な意味でお客様をフォローしなければならない責任は、他の業界とは比べものにならないはずである。

商品を並べるだけの問屋、お客様を連れてくるだけの小売屋、売るだけのマネキンさん。そのオートメーションに乗せられるお客様にはどれだけのメリットがあるのだろうか。

価値の上乗せだけで付けられる価格、お客様の事情も分からぬまま商品を勧めるマネキンさん。商品知識も無く利益を得る小売屋。そのような危険が消費者セールに潜んでいるのは否めない。

消費者が小売屋に誘われて消費者セールに出向くことは悪いことでは無い。しかし、その落とし穴にはまらぬよう心構えをもつことが肝要である。

消費者セールに行く場合は次のような事に心がけてはいかがだろうか。

① 表示された価格が適正なのかどうかを徹底的に吟味する。

消費者は着物の価値がよく分からないと言うが、誘ってくれた小売屋に徹底的に説明を求めたら良いだろう。

「前回見た着物よりずいぶん高いけれども何故なのか。」

「高い着物と安い着物はどこが違うのか。」

「その呉服屋さんの店頭でも同じ価格なのか。」

欲しい着物が高いと思ったら、仮注文として後日他の店で比べてみる。

等の工夫が必要である。

② 誘ってくれた小売屋さん以外の人(マネキンさん等始めて合う販売員)に商品を勧められたら、その小売屋さんに説明された内容が本当にそうなのかを正してみる。自分の事を分かっている小売屋さんの見解をはっきりと聞くべきである。ただ売って利益を上げれば良いと思っている小売屋かどうかは反応を見れば推し量ることができる。

③ 小売屋さんが商品を勧めてきたら、何故その商品を自分に勧めようとしているのか説明を求める。心ある呉服屋であれば明快に答えてくれるはずである。行き当たりばったり、目立つ商品を何の考えも無く奨める場合もあるのだから。

着物のことならなんでもお問い合わせください。

line

TEL.023-623-0466

営業時間/10:00~19:00 定休日/第2、第4木曜日

メールでのお問い合わせはこちら