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全日本きもの研究会 きものQ&A

143.黒地の絽袋帯に芯は必ず入れるものですか?

きものQ&A

質問者

 はじめておたずねをいたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
 先日、黒地の絽袋帯を 買いました。なるだけ涼しく結びたいと思い 芯なしで使おうと思うのですが、絽綴れほどしっかりした織りでは ありません。

 芯を入れるとすれば 白色か黒色の どちらを使えばよろしいでしょうか?
 
 どうぞ お教え下さいませ。

ゆうきくん

 一般に袋帯には芯を入れて仕立てますが、その理由というのは次のように聞いています。
 
 太鼓を創るときにはある程度のハリが必要ですので帯に厚みを与えること。もう一つは、裏表の帯地の間に一枚緩衝布を入れることによって帯が痛まないようにすることです。
 
 芸者さんは太鼓をきちっとする為に、厚い帯芯を入れたり、帯芯を二枚入れたりすることがあります。帯を結ぶときに帯地の裏側同士が擦れて帯を痛める、特に唐織など裏に糸が通っているものは特に表側にひびいてしまいますので、間に入れた一枚の帯芯が帯を保護するという訳です。
 
 しかし、柔らかい軽い帯を好まれる方の中には帯芯を入れずに仕立てる人もおります。帯の機能的には何等問題ないと思います。
「帯芯は入れたほうが良いですか。」
と質問されたら、
「帯を保護するためには入れた方が良いでしょう。今は非常に薄い芯もありますので、それほど重くは成りませんから。」
と応えるようにしています。
 
 さて、ご質問の「黒地の絽袋帯」についてですが、絽の袋帯は冬物と違って次のような特徴があります。
1. 冬物よりも柔らかく、コシがない。
2. 透けて見える。
 
 太鼓を創るのに必要なハリを出すために、通常芯を入れて仕立てています。しかし、もしも充分にハリがある生地でしたら、その限りではないと思います。
 
 もう一つ、絽の袋帯は透けて見えますので、裏に糸が通っている場合などその糸が見える場合があります。裏地の裏が透けて見えるわけです。芯を入れることによってその弊害を少々なくすという意味もあるかもしれません。

  帯芯は通常白ですが、黒をはじめその他色芯も造られています。夏物や仙頭刺繍など穴の開いた帯地に良く使われます。色は表の生地を考慮して決めています。
 
 お持ちの絽袋帯に白芯を入れるか黒芯を入れるかはみみさんの主観で決めていただいていいと思います。どちらにしなければならないという決まりはありません。

 しいて云えば、もしも裏に白い糸が通っている場合、白芯を入れればそれを隠すことが出来ますし、黒芯だと益々目立ってしまうかもしれません。…というような事を考えてみてください。
 
 どちらの芯を入れたら、みみさんがおっしゃるような涼しく結べる帯になるかということを。

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参照:「きもの博物館 47. 袋帯」
参照:「きものQ&A 370. 袋帯の両端の縫い目」

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