明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 きものQ&A

514. 結婚式の装い(男物)  

きものQ&A

質問者

 はじめまして。着物の初心者で、最近日本人として洋服ではなく着物を大切な行事の時着たいと考えている者です。
 
 私自身まったく知識はなく、いろいろな方に伺っても 正解がわからず悩んでおります。 今回友人の結婚式に夫婦で招待を受け、2人で着物で伺おうと考えているのですが、主人の装いについてお伺いします。
 
 結婚式ですので黒紋付が正礼装なのは存じているのですが、 周りから親族でもないのにでしゃばってはいけないと言われ、 呉服屋さんにお茶会にも大丈夫なものだから結婚式も大丈夫と勧めてもらった中古で藍色の羽織袴を購入しました。
 
 この着物なのですが、素材がわからず尋ねてみたのですが、 聞き慣れない言葉で、何度か質問したのですがよくわかりませんでした。 自分でいろいろと調べてみて、見た目がもしかすると紬と言われる物なのではと思っているのですが、紬をきて結婚式に出席をするのは失礼では?? と感じています。 どうなのでしょうか?
 
 もちろん、紋を入れるつもりなのですが、紬に抜き紋は?? と思い、縫い紋にするつもりでいますがマナー的に大丈夫なのでしょうか?
 
 また、袴についてなのですが、絶対に袴を着ていかないと失礼にあたるのは 分かってはいるのですが、周りに着物に関して知識がある方が少なく、 袴は新郎さんが着るものだと思っていたなどいう意見ばかりでした。
 
 常識的に違う事はさておき、出席者の方々が皆さんそう思われていたなら、 友人の結婚式で嫌な雰囲気になるのでは・・・と恐ろしく、 あえて袴をつけずに伺うことも考えました。そして無難にスーツが良いのではとさえ思えてきました。
 
 主人は大切な友人の結婚式に家紋を背負って行きたいとは言うのですが、 2人で悩んでおります。
 
 長々と書かせて頂きましたが、専門の方からみてどうするべきか 教えて頂けますと幸いです。 どうぞ宜しくお願い致します。

ゆうきくん

 ご主人がきものを着て結婚式に出席したいとの事です。是非お二人着物姿でご出席ください。
 
 私は冠婚葬祭は必ず着物です。だいたい黒のスーツを持っていません。着てゆけば男性の着物姿はまず私一人です。しかし、私の着物姿を見て「俺も着てみたい」と言う人は多く居ります。
 
 さて、何を着てゆけば良いのか、まず私の例を申し上げます。 黒紋付は最高級の礼装であることはその通りです。私は黒紋付を着るのはとても緊張感が伴います。私が今までに黒紋付を着たのは、
   ・自分の結婚式
   ・仲人をした時
   ・父の葬儀
この三回です。次は息子の結婚式になるだろうと思います。
 
 それ以外の結婚式や葬式は色紋付を着ています。紋は羽織に一つ紋です。色紋付は袷も単衣もアンサンブル(着物と羽織が同じ色生地)ですが、場合によっては羽織だけ黒の紋付を着る場合もあります。

 慶弔合わせて年間に色紋付を着る機会は十回を下りません。十分に実用的です。 紋付には必ず袴を履きます。フォーマルな場面で男性が袴を履かないということはありません。
 
 元地主の奥様に話を聴いたところ、昔は村の集会があれば、必ず袴を履いて行ったとの事です。男性にとって袴は、洋装のネクタイと考えたら良いのかもしれません。

 さて、色紋付の素材ですが、普通は御召です。(御召について詳しいことは「きもの博物館5 御召」をご覧ください。)お茶人が着るのも御召です。御召は男性礼装の素材として使われます。紬はその格下になりますが、紬の素材によっては紋付もあります。(私も持っています)しかし、格としては御召よりも下になるでしょう。
 
 紋については、抜き紋が格上、縫い紋が格下です。紬や御召は抜き紋が出来ませんので縫い紋になります。どうしても抜きたい場合書き紋になりますが、格から言っても縫い紋が適当と思います。
 
 以上が男性正装のマナーだと思います。
 
 しかし、現代は別の問題があります。 着物に対する知識が希薄になっているために、常識(今までの)はずれの事が常識のごとくまかり通っている事です。
 
 例えば結婚式で新郎が色紋付を着ている姿を見かけます。新郎は第一礼装を着るのが常識ですが、それが崩れています。まして白の紋付を着る人もいますが、白装束は昔から死に装束でした。
 
 そのような事情をどのように考えるかです。私は是非伝統的なきものを守ってもらいたいと思っています。

質問者

 ゆうきさんありがとうございます。お礼が遅くなり申し訳ございません。 詳しくご説明頂きありがとうございました。 とても勉強になりました。
 
 そうですね。 いまの時代は着物の常識が昔と真逆の考えをしていたりと、 変わってきているのかもしれません。 でも、本来の伝統的な着物の心をもってこれからも学んで行きたいと思っております。
 
 ゆうきさん。お陰さまで自信を持つ事ができました。 2人で着物をきて友人のもとへお祝いを伝えに参る事と致します。 誠にありがとうございました。

 今後ともゆうきさんのご活躍をお祈り致しております。

参照:「きもの春秋 4. 男のきもの」
参照:「きもの春秋終論 Ⅵ-37.またまた呉服業界の危機(羽二重がなくなる)」

 

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