明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 きものQ&A

543. いただいた着物の直し 

きものQ&A

質問者

 お友達にいただいた着物で、普段の自分の着物より前幅だけが大きいものがあります。この場合は、どの部分を切り詰めればよいのでしょうか。またほかに、全体に大きく、丈、ゆき共に大きい場合はどうしたらいいでしょうか。

 また、ミシンを使う場合の注意点をお教えいただきたいです。よろしくお願いいたします。

ゆうきくん

 身巾の直しは、全て解いて仕立て直すのが基本です。

 裄直しや袖丈直しでしたら、袖付けや袖先だけを解いて筋消しをすれば出来ますが、身幅の場合はそういう訳には行きません。例外として、単衣の身幅を詰める時には、脇縫いを解いて、前幅後幅を同じだけ詰める(例えば、前幅6寸5分、後幅8寸を前幅6寸、後幅7寸5分に直す)事はできます。しかし、前幅のみの直しは、やはり仕立て替えしなければならないでしょう。

 一般的に、貰った着物が自分の寸法と全く同じというのは殆どないと思います。
 一番良いのは、自分の寸法に仕立替える事ですが、「解き洗い張り」「仕立替え」に相当に掛かってしまいます。もらった着物を着る場合は、仕立替えをしなければ自分にぴったりの寸法にはならない、と認識した上で、どこまで妥協できるかを考えなければなりません。

「どこまで妥協」
とは、寸法の面と費用の面です。
「身巾は少々広くとも、それは我慢して裄だけは合わせたい」
と言うのは良くあります。また、
「裄は自分の寸法よりも長いので、襦袢が出る事はないから、袖丈を直したい」
と言うのもあります。

 今後、その着物を末永くお召しに成りたいと思っていらっしゃるのでしたら、自分の寸法に仕立替えをすることをお勧めいたします。しかし、一回しか着ない、又はその後着る予定はないのでしたら、ご自分が妥協できる範囲で財布と相談されたら良いかと思います。

 ミシン仕立については、私は仕立士ではありませんので、適切な回答はできません。仕立てをなさる方にご相談なさってください。

参照:「きもの春秋終論 Ⅵ-12.着物との本当の付き合い方とは」
参照:「きもの春秋終論 Ⅵ-18.着物との本当の付き合い方とは・続編」
参照:「きものQ&A 235.仕立て直しの法則」

 

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